東京r428高円寺砧浄水場線も第4部、完結編。
 杉並区内、井の頭通りから起点の青梅街道へ歩く。起点手前堀之内の寺社エリアは都道とは思えぬ風情のある道。
Index

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第1部 [終点(r11支線交点)→ r3/世田谷通り交点]
 世田谷区の閑静で明るい住宅街を歩く。
 住宅密集地を地形に関わらず直進していく様子は水道道路ならでは。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第2部 [r3/世田谷通り交点→r311/環八通り交点]
 引き続き世田谷区内を歩く。
 特に案内もなく、環八通りとぶつかるのでそこでトレースも一旦中断。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第3部 [r311/環八通り交点→ r413/井の頭通り交点]
 京王線の急行停車駅、桜上水の商店街を通り抜け、神田川を渡る。
 桜上水周辺で都道は思わぬルートを取っている。その難易度にちょっと注目。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第4部 [r413/井の頭通り交点→ 起点(r4/青梅街道交点)]
 井の頭線沿線から青梅街道まで起点寄り杉並区内を紹介する。
 善福寺川付近の緑地を通り抜け堀之内で寺社の間を抜ける狭隘区間!

Report 4/4
 お決まりの地図。第4部は井の頭線にほど近いr413/井の頭通り交点から起点を目指して北へ歩く。
 荒玉水道交差点

 目の前を横切る道路はr413赤坂杉並線/井の頭通り。都心部と井の頭線沿線エリアを結ぶ主要な道路であるが、幅員が狭く立体交差の整備も遅れているため流れは良くない。
 r428は例のごとく交差点を直進。

 幅員制限と重量制限の標識が久しぶりに現れる。その背後には水道道路で通行制限する旨の看板もあり、第2部以前の雰囲気を思い出す。
 r413交点から暫くの間r428は北行き一方通行となる。歩道は両側に確保されており後ろから来る車を気にする必要もあまりない。
 この辺りも時折古い住宅に遭遇する。新興住宅街というより住宅密集地らしい街である。
 数百メートルほど歩いたところでまたまた大きな道路が前方を横切る。

 前方を横切るのはr14/方南通り。そして、実は撮影地点の少し手前でr427瀬田貫井線がr428と合流し、方南通りにぶつかるまでの少しの間重複する。

 r427瀬田貫井線は練馬区内から世田谷区内まで、環七通りと環八通りとの間を南北に通る都道であるが、例によって各所に狭隘区間を抱える都市型険道。延長は14km以上あるので全線トレースは健脚向き。
 r14新宿国立線/方南通りとの交点。交差点名は大宮八幡前

 方南通りは新宿副都心から方南町を経て西永福へ至る道。ここを右へ曲がって1.3kmほど歩くと東京メトロ丸ノ内線(方南町支線)の終着駅、方南町へ。左へ曲がると大宮八幡宮を経て1km弱で井の頭線西永福駅に着く。
 直進して再び閑静な住宅街へ飛び込む。

 大宮八幡宮は善福寺川に接する歴史ある神社で八幡三神と呼ばれる神々を祀る神社。子育て・安産に特にご利益があるとされる。直進して少し歩いた十字路から左を見渡すと、その境内が迫っているのが見える。
 この辺になるとまた一軒家の多いエリアとなる。いやしかし凝ったお宅が多いですよね。
 道路は突然広くなったり狭くなったりもするが気にしない。
 郷土博物館入口という信号交差点。実は五差路で、斜め左方向へ進むと杉並区郷土博物館へ至る。古代以前から現代までの区の歴史に関する展示がなされているよくあるタイプのローカル歴史博物館である。

 手前左方向(塀で見えない)に進むと和田堀公園という広大な公園にたどり着く。善福寺川に沿った大きな都立公園で、区民の憩いの場として機能している。
 思い出したように重量制限標識が現れる。色褪せた感じが良い。
 更に歩くと済美山陸上競技場駐車場が現れる。

 こんな23区内に駐車場付きの公園が現れるなんて・・・と思う方もいるだろう。この公園は和田堀公園第二競技場とも呼ばれ、1周400mの非公認ながら立派な競技場があるという。
 競技場入口を過ぎると和田堀公園済美山自然林を通り抜け、対岸の杉並区堀之内まで見渡す事ができる。

 写真だと特に強調されているが、実際にも結構薄暗い自然林が残されている。この写真だけ見ると23区内というより多摩地区のような雰囲気も漂っている気がする?
 緑地帯を過ぎると善福寺川を渡る橋。肝心の川は改良工事中でその姿を拝めたのは下流側だけ。

 善福寺川は第3部で渡った神田川の支流で、その合流点は東京メトロ中野富士見町駅/中野検車区付近にある。源流は杉並区善福寺公園にある善福寺池で、位置としては吉祥寺駅からやや北東に進んだ23区の西端とも言える場所である。実は中野区との境になっている一部を除いてほぼ全域が杉並区内というすごい川である。
 善福寺川を渡るとこれまでと変わらぬ住宅街。
 信号交差点。この先について示す標識は無いが車で通っている場合はここで環七方面に抜けたほうが何かと楽である。

 というのも、見ての通り今度は南行き一方通行区間が現れるからである。なおここで右折して環七を目指すと1つ前の信号交差点から来た道と合流する。要するに粘るメリットがあんまりないのだ。
 今回の撮影は徒歩なので車の一方通行は特に関係ない!というわけで起点を目指して北へ。これまで直進し続けてきたr428はここで謎の屈折を遂げる。

 実を言うと直線的な荒玉水道道路が地図上に描かれているのはここまでで、ここから北は水道道路が出来る以前の古い道をなぞることになる。

 当の荒玉水道自体は、元々砧からここ荒玉水道道路直下を経由し、そこから更に中野区江古田にある野方配水所、もっと北の板橋区大谷口にある大谷口給水所へ至る上水道である。
 その「古い道」に突入した途端道路は一気に周辺の街路と変わらぬ幅になる。

 右側に続く塀の向こうは妙法寺という寺院の敷地。

 この辺りは古くから寺院が集まった地域であったらしい。
 やがて道の両側が塀に囲まれる。

 そう、我々は既に包囲されている!!



 お寺の境内に!
 やがて立派な山門が左手に、そして丁字路の先もお寺さんに挟まれた風情ある道が続く。

 時代劇の撮影でも出来るんじゃないかと思うぐらいである。こんな都道は珍しいかも?
 白塀が映える堀之内のr428。ここにもお寺さんの入口が。

 住宅街をひたすら歩いてきた私にとってこの風情ある景色はとても新鮮であり、どんどん先へと歩く意欲を沸き立たせる。
 そんなお寺さん街を抜けると、今度はグリーンポールが立ち並ぶようになる。

 左側の生け垣の向こうは堀ノ内斎場という私営の斎場。古地形図を見る限り戦前から存在していた歴史ある斎場のようだ。
 そして斎場を過ぎると唐突に対面通行の警戒標識が現れる。

 この標識の意味はそのまんまである。ここから次の交差点まで、一時的に一方通行が解除される。では車がすれ違えそうもない幅なのになぜ?と思うのが自然な流れだ。

 次の大きな交差点を以って対面通行区間は終了し、再び南行き一方通行になる。

 この対面通行区間の理由は以下の通りだろう:
 先程通過した堀ノ内斎場からの車両出口が1枚上の撮影地点後方に存在する。斎場敷地内の車の動線は基本的に南から北(撮影方向に沿う)であり、車両出口からr428へは北向きに出ることとなる。斎場を出る車は特殊車両やバスもあるため、出口から南行きにターンするのは無理がある。そこで一時的に特例的に北行きの通行規制を解除し、ここで右折することで斎場から環七通りへの動線を確保しているものと考えられる。
 諸々の規制標識こそ無けれど、この辺りの道の狭さも都道としてはなかなか凶悪である。
 先程のカーブの後、奥に見えてくるのが京王バス・・・のいる青梅街道

 つまり、あの先がr428の起点である。ここまで約9km続いた都道の旅が、もうすぐ終わる。
 交差点近くの電灯にありました、都道ファンにとっては定番、「東京都ステッカー」。

 管理番号は起点から振られている。見事ファーストナンバー。

 都道428号起点

 r428はr4/青梅街道とぶつかるこの交差点が起点。終点から歩いてきた我々はここで都道トレース完結となる。

 何度も書いているが延長約9km。徒歩トレースするには少し長い道だったが、全体的には歩行者に優しく、程々にトレース難度のある都道探索ではなかろうか。
 そしてr428は起点にまでヤクモノがぶっこまれていた。

 それが、この大型起点標である。

 でかでかと書かれた「0」キロポスト、そしてその下にはっきり書かれた特428の文字。都道トレースをするものにとって、境界がはっきりわかるものほど嬉しいものはない。つい周りの目も気にせず撮ってしまったのであった。

 というわけで、r428レポートこれにて完結
Impressions
 流石3/4も歩いてくると水道道路の直線的な風景に飽きてくるのである。
 トレースの写真を見返しても、r413/井の頭通り交点から神田川を超えて堀之内に至るまであまり印象に残ったものはなかった。

 強いて言えば善福寺川に沿って広がる和田堀公園と大宮八幡宮は寄り道してもよかったかなぁ、というところだが、それは沿線の見どころであって、道路自体が見どころというわけではない。

 それだけに堀之内以北、水道施設がはっきりしなくなる寺社エリアの道路風景は都道としては、いやむしろ住宅地内を歩いても新鮮なものであり、特に印象に残っている地点であった。あと斎場からの動線確保のための「対面通行」も強烈なインパクトを誇る。

 そして最後は私的な話となるが、北海道に住んでしまった身からするとこういう都市型険道は疎遠になってしまっている。そのことで逆に面白さを感じてしまうのだからたちが悪い。23区内には他にもr423、r427といった兵どもがいる。いつか彼らに勝負を仕掛ける時が来るかもしれない。

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 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第3部 [r311/環八通り交点→ r413/井の頭通り交点]
 京王線の急行停車駅、桜上水の商店街を通り抜け、神田川を渡る。
 桜上水周辺で都道は思わぬルートを取っている。その難易度にちょっと注目。


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最終更新日:17年3月9日
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