東京23区の道路地図を見て、「ん?これは何だ?」と思った方がいるかもしれない。
 r428高円寺砧浄水場線は、混沌とした杉並・世田谷の街路網をスパッと斜めに走るあの道である。
Information
路線: 東京都道428号 高円寺砧浄水場線
起点:杉並区梅里一丁目(r4/青梅街道交点)
終点:世田谷区喜多見五丁目(r11交点)
延長:8,979m
沿線:東京メトロ東高円寺駅 和田堀公園 井の頭線永福町駅 京王線桜上水駅 小田急線千歳船橋駅 日本大学商学部 など 
走行:全線(終点→起点) 2015年10月3日撮影
Index

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第1部 [終点(r11支線交点)→ r3/世田谷通り交点]
 世田谷区の閑静で明るい住宅街を歩く。
 住宅密集地を地形に関わらず直進していく様子は水道道路ならでは。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第2部 [r3/世田谷通り交点→r311/環八通り交点]
 引き続き世田谷区内を歩く。
 特に案内もなく、環八通りとぶつかるのでそこでトレースも一旦中断。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第3部 [r311/環八通り交点→ r413/井の頭通り交点]
 京王線の急行停車駅、桜上水の商店街を通り抜け、神田川を渡る。
 桜上水周辺で都道は思わぬルートを取っている。その難易度にちょっと注目。

 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第4部 [r413/井の頭通り交点→ 起点(r4/青梅街道交点)]
 世田谷区の閑静で明るい住宅街を歩く。
 住宅密集地を地形に関わらず直進していく様子は水道道路ならでは。

Report 1/4
 下宿バス停

 今回の都道トレースは徒歩で行う。10月初旬の爽やかな晴天のもと、二子玉川駅からバスに乗りr428の終点にほど近い下宿バス停で下車。
 r428の全線地図がこちら。都道(青線)の南西端が現在地、世田谷区喜多見である。

 冒頭で説明したとおり、この地域の道路としては珍しくほぼ一直線に走っていることがわかる。昭文社などの道路地図では都道というだけで色分けして描かれているものが多いので、道路地図上ではこの道路は一際目立つようにも見える。

 都道428号終点

 正面に見える車両進入禁止の道がr428だ。手前側そして交差点を横切る道はr11大田調布線。

 道路地図上で目立つ存在だが、実際の道が、、、これである。
 先程の交差点で振り返る。r428は荒玉水道道路という水道道路の一部が都道に指定されたもので、荒玉水道の直上を走る道である。

 その荒玉水道はr428終点より更に南西側に向かい、砧浄水場(地図上の一番南西にあるピン)へとつながっている。
 のだが、終点交差点のすぐ南側にこんなキロポスト。

 r11の14.9kmポストと思われるが「支2」と下に併記されていることからこの区間はr11の支線である。撮影当初、r428の終点があまりに地味な交差点だったため実は「Googleにも地図の間違いかな・・・?」と疑ってかかっていたが、そんなことは無く、終点交差点より南西側は確かにr11だった。
 というわけで、r428のトレース開始

 いきなり現れるのは一方通行路の横にあるオレンジ色のポール

 これについての解説はもう少し先まで置いておこう。
 世田谷区喜多見エリアを歩く。都道沿いとは思えぬ「普通の住宅街」であるが、この辺りは一軒家の割合が高く、その雰囲気には中産階級の余裕のようなものを感じる。要するに柄が良いのだろうな、と・・・。
 r428は直進。道は狭く、塀や生け垣で視界は狭い。横から来る交通に気をつけよう。
 先程の交差点の脇に設置されているのがこの看板。

 通行制限について随分とポップな書体で書かれているが、総重量4t以上の車両通行不可という割と重要な情報が書かれている。
 終点から先程の看板までは南行き一方通行であったが、その先では一方通行が解除される。

 そしてそこには幅員制限1.7mという過酷な制限標識が。どう見ても道路的に2m幅ぐらいいけそうなんですけどね・・・。
 程なくして交通量の多い道路とぶつかるが、r428はその向こうにも真っすぐ伸びているのがわかる。

 前方を横切る道はr11大田調布線。最初に通った下宿バス停を通るバスが走る道路だ。
 r11交点を過ぎたところで撮影。

 これまで断片的に現れた通行制限について、遂にその全貌が明らかになる!!

 その通行制限は幅員1.7m、重量4.0tというもの。ぶっちゃけ、重量より幅員の方が厳しい。というのは、幅員1.7mというのは普通乗用車(5ナンバー)サイズギリギリなのである。厳密な取り締まりは行われないだろうが、幅員の大きい3ナンバー車は一部の貨物車では間違いなくこの道の走行に苦戦することであろう。
 r11より北側はこれまでと違って少し開放的な景色が広がる。
 ここで野川を渡る橋梁。野川は国分寺市に源流を持ち、国分寺崖線と呼ばれる段丘崖に沿った湧水群からの湧き水を合わせ、多摩川へと注ぐ河川である。
 そして道路橋の脇にこんなぶっとい水道管が現れる。これが、荒玉水道の水道管である。
 道路橋と並走するのはこんな感じ。
 野川を渡ってすぐに、柵で囲まれた空き地が目につく。

 勘の良い人ならお分かりだろう。
 この空き地が、東京外かく環状道路用地すなわち2017年現在建設中の東京外環道の用地である。

 この場所は東名高速と外環道の結節点東名JCT予定地から300mほど離れた場所で、こちらの概念図によるとここは将来的に外環道本線を跨ぐ跨道橋になる(外環道本線は掘割になると思われる)。ランプ分岐部にほど近い場所であり、完成後は外環道&東名JCTを望む良きビュースポットになる・・・かもしれない。
 外環道用地を過ぎると、道路はまた登り坂になる。
 登り坂の途中に橋が現れる。

 しかしここは一方通行ではない区間なのだが、とても狭い。そんな道でもしっかりと右側に路側帯が用意されているところに配慮を感じる方もいるかもしれない。実はこの道、前方右の幼稚園&小学校の通学通園路である。
 この橋の真下は住宅地と街路が通っている。r428は水道道路ゆえ地形を無視して真っ直ぐ通っている。この場所は先程触れた国分寺崖線に位置し、こういった陸橋などで勾配をマイルドにしてあるようだ。

 にしても、水道管が住宅地を跨ぐ風景はちょっと珍しいものがある。ちなみに、水道管をきちんと拝める場所はこの先暫くないのできちんと観察しておこう。
 ここで突き当たり。右に見えるのは区立砧幼稚園/小学校の敷地。

 都道は右折。
 右折して更に段丘を登る。

 狭隘都道では制限速度20km/hの標識を見かけることがたまにあるが、これが区道になると同じ幅員でも30km/hになったりすることがたまにある。この差ってなんだろう。
 r3/世田谷通り交点

 r3世田谷町田線との交点。r428は前方奥の歩道橋の更に奥に見える道だが、この写真ではよくわからない。
 徒歩でr428をトレースするには一旦r3の歩道に出て歩道橋のある交差点(実は五差路!)を横断歩道or歩道橋で渡る形になる。

 改めて、r428は前方緑色の看板と黒い建物の間を通る細い道である。ここも地図をよく確認しないとトレースに失敗する難しいスポットだが、r428は水道道路で基本方向を変えずに真っ直ぐ進む道だとわかっていれば地図無しでも正しい道を選べるのではないかと思う。

 第1部はここまで。
Impressions
 とりあえず全4部のうちの1つ目が終わったのだが、実はr428のトレースをしていて一番面白みのあった区間は終点付近(今回の区間)と桜上水駅付近、それと起点付近の3箇所だった。というわけで面白い場所の3分の1ぐらいは終わってしまいました。ごめんなさい。

 残りは普通の住宅街を文字通り「真っ直ぐ」歩いているだけ、という印象だった。

 ちなみに、
 幅員制限1.7mはお察しの通り、都道最狭級の幅員制限である。

 だがこの交通規制にはあんまり険道としての魅力を感じていない読者もいるだろう(私もその1人)。

 r428の厳しい交通規制は、道路のキャパが足りていないというよりむしろ水道施設の保護が目的にある。第1部で見かけたオレンジポールがそれを物語っていると思うのだが、これについては第2部で触れることにしよう。

Links
 東京都道428号高円寺砧浄水場線 第2部 [r3/世田谷通り交点→r311/環八通り交点]
 引き続き世田谷区内を歩く。
 特に案内もなく、環八通りとぶつかるのでそこでトレースも一旦中断。


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最終更新日:15年10月26日
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