9月下旬、ちょっと車借りて裏富士を見に行こう!という日帰り旅行のついでに、数本の山梨県道を撮影することができた。中央自動車道という大幹線、そして国道20号というこれまた大事な道路に平行するこの県道は、旧甲州街道に当てはまる。そんな裏ムード満載の県道をどうぞ。

データ

  • 起点:大月市富浜町下鳥沢(R20交点)
  • 終点:上野原市新田倉(R20交点)
     見ての通り、R20のバイパス的役割・・・というよりは旧道を県道に降格した道路である。
  • 延長:15.5km?
  • 沿線:甲州街道鶴川、野田尻、犬目宿跡 中央道談合坂SA
  • 走行区間:全線(終点→起点)、14年9月27日
     


  • 目次

     山梨県道30号大月上野原線 レポート第1部 [R20交点(終点)→談合坂SA付近(r507交点)]
     渋滞を抜けようやく山梨県へ入った一行は、中央道からもR20からもドロップアウトして旧街道へ入る。渋いねぇ。

     山梨県道30号大月上野原線 レポート第2部 [談合坂SA→R20交点(起点)]
     談合坂SAから先、犬目宿を通過後、我々を待ち受けているのは坂と狭隘区間。やっぱり山梨、魅力的。


    レポート

     山梨県道30号線 終点

     左斜:R20 甲府 大月
     右折:r30 野田尻

     上野原市中心部からR20を甲府大月方面へ向かう途中にこの交差点がある。信号こそなけれど、右折レーンが設けられているのと交通量はそこまで多くないので安全を確認してのんびり行こう。
     鳥沢 15km
     野田尻 7km

     早速崖沿いの緑深い道になる。北海道の時と違って無人地帯を通るわけではなく、この辺りは地形の険しさから山間集落がポツポツあって、道路はその間を結ぶのだ(街道と宿場町の関係に関しては逆だが)。一応起点の鳥沢までの距離も示されているが、この県道を好き好んで走り通す人はあんまりいなさそう。
     緑が深いねぇ。この先、相模川水系の河川、鶴川を渡るため、そこまで下り坂となる。(
     早速国道とは違う渋い雰囲気のカーブが待ち受けている。一同「おおお。県道だねぇ」。
     うねうね曲がりながら標高を落としていく。歩行者用通路は道路に沿ってではなく画面のバス停付近のように別の通路があったりする。。
     ようやく鶴川の水面が見えてきた。
     なんとも年季の入った、しかもセンターラインのない橋で鶴川を渡る。この川の対岸にあるのが甲州街道の旧鶴川宿にあたる。

     このレポートを見ても分かる通り、上野原から鶴川までの距離はせいぜい3kmであり、宿場1つ分の間隔としては短い。理由として考えられることは、江戸時代にこの鶴川を渡る方法が季節的ながらも徒渡し(かちわたし)だったことにある。徒渡しでは旅客を渡らせる川越人足が詰める番宿が必要となる。そのため、この辺りに鶴川宿が設けられたのだろうか。
     上野原市鶴川の町並みを走る。このサイトはあくまで県道レポートをするところなので、旧街道の手がかりはほぼ撮影してません・・・悪しからず。
     鶴川地区を西へ進む。旧R20だったこともあってか結構対向車は多い。
     時々小さい河川を渡るが、名前を示す標識や橋の欄干(ガードレール)に年季を感じる。
     小学校敷地のような何かのようなものが。横断歩道まであるしね。

     と思ったが、右側にある門は老人ホームに繋がってると思われる。
     押しボタン式信号。あぁ、これは小学校で確定だな。

     画面右側には大鶴小学校という小学校があった。しかし、恐らくは児童数の減少や自治体の財政の都合などなどが重なり、統廃合が行われたのだろう、2012年3月31日をもって廃校となった。
     大鶴地区を抜けると、センターラインが消える。普通、改良工事は集落の間からやっていく(集落内は立退きが必要なこともあるので進まない)。つまり、特にこの先無人地帯を走るわけではない。
     案の定ぽつぽつ人家がある。
     カーブしながら、ヘキサの立つ風景。

     左サイドの木に隠れて見えないが、このカーブの直後、大曽根地区の住宅街そして大倉地区へつながる道が分岐する。そのうち前者は明らかに不便な山の中に不釣合いな普通の「郊外住宅地」がポツンと存在している。バブル期の開発ラッシュによるものか、はたまた災害が原因で移転したものか、よくわからんが。
     そこそこ快適な2車線路を進む。
     この辺、地形的にこれまでとあんまり変わらないような気がするが人家はほとんど無い。
     芦垣地区入口。右折して山を少し登ったところにある。芦垣地区を通り抜けて、更に標高の高い和見地区へ抜けることも可能。
     お、なんか崖上に道路らしきものが?
     右斜:和見
     直進:r30 大月 鳥沢

     和見地区はかつて小学校の分校が存在したそれなりの集落。2,3kmほど林道を走ると、突然開けた畑地が現れる・・・ような感じの場所で、狼信仰で知られる王勢籠(おせろう)神社という神社がある。
     また、林道和味棚頭線というチャリダー御用達の林道も存在する。うーん、郡内地方、ますます魅力的。
     分岐した少し先。

     見事なワッフルである。ところどころ斜面に合わせてうねってるところも良い。
     お、またヘキサだ。

     この先、上野原市桑久保地区へ進む。
     ちょっと目の大きさの違うワッフルが現れる。桑久保地区もまた、この道路より標高の高いところにある山村集落である。このあたりで右に分岐する道が、桑久保集落への入口となる。
     さぁ、県道をどんどん進もう。

     桑久保地区もまた、昔ながらの風情を残した山村集落である。うむ、気になる。実はこの道路のすぐ南側には野田尻という別の集落がある。野田尻は旧甲州街道の小さな宿場であるが、その中心部のすぐ脇を中央道がぶった切るという作りをしている。
     野田尻と桑久保には標高差がある(野田尻:355m、桑久保のr30:305m)ため、野田尻へはこの道路r30を道なりに回ってアクセスする形となる。
     右斜:棚頭
     直進:r30 大月 鳥沢

     野田尻方面へカーブする途中、棚頭への道路が分岐する。棚頭もまた、山間集落の1つであり、先ほど紹介した和味集落とは林道棚頭和見線で結ばれている。
     ここまで進路を共にしてきた仲間川を渡り、対岸の崖の上、野田尻へ向かう。
     ここ、結構な激坂だよね・・・?
     激坂を登るとやけに綺麗な改良済道路となる。ちょっと残念。

     どうやらもともと1.5車線あるかないかくらいの道路を斜面も改良して谷側に拡幅したらしい。おおよそ2012年頃の話のようだ。
     改良区間が終わると、野田尻地区の市街地へ突入する。いきなり90度カーブがあるし楽しそう。

     その90度カーブのすぐ先には野田尻集会場などのある東側の集落へ向かう道路がある。集落を突き抜けると、中央自動車道旧道を含む中央道側道を通り、更に大椚(おおくぬぎ)集落、上野原市街へ抜けることも可能。
     集落内の上り坂。県道オーラ?そんなの知らんな。
     中央自動車道の本線をくぐる。さすが大幹線とあってアンダーパスも長い。
     左折:
     直進:r30 鳥沢
     右折:r507 国道20号 四方津

     r507野田尻四方津停車場線との交点が近づいてきた。本来はもっとささやかな分岐だったと思われるが、ここも改良により立派な交差点と標識が設けられた。

     コスモしおつなるトンデモニュータウン住宅地へは右折し、r507を南進する。道中道が狭いので気をつけよう。

     また、このすぐそばに中央道談合坂サービスエリア(下り線)がある。このサービスエリアは一般道からも利用することが可能。この交差点を左折すると入ることができる。案内がないので注意。
     というわけで、入ってみる。
     談合坂サービスエリア

     談合坂、それは、中央道の動かない15kmの渋滞を抜けた勇者たちの憩いの場。

     というのはガチで、降りてくる人たちがみんな疲れた様子だった。ちなみに一般道駐車場は施設の端っこにあり、売店からは100mくらい歩く。この写真もサービスエリアの端っこから撮ったものだったりする。
    感想
     旧街道の香り感じる山梨は郡内地方の県道は、そこそこに人の気配がありつつも険しい地形の中を走る。r30自体は正直第2部区間のほうがハチャメチャなのだが、第1部区間は机上調査でr30からアクセスする山間集落の数々に興味がわいた。

    関連
     王勢籠神社(上野原市) - Wikipedia
     途中で紹介した和見集落にある神社。うーん、和見、気になる。

     山梨県道30号大月上野原線 レポート第2部
     旧街道の香りがする郡内の古き良き県道。本格的な狭隘区間があるのは第2部で紹介する区間だ。


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    最終更新日:14年12月12日 inserted by FC2 system