旧羽幌線の停車場線の中でも一際魅力的に感じたのがこの道道。
 往時の賑わいを偲びつつ、鬼鹿の漁村をゆっくりと巡る。
Information
路線: 北海道道643号 鬼鹿停車場線
起点:留萌郡小平町鬼鹿広富(旧羽幌線鬼鹿駅跡)
終点:留萌郡小平町鬼鹿港町(R232/r707交点)
延長:606m(実延長)
沿線:小平町鬼鹿地区、旧鬼鹿駅跡 
走行:全線(起点→終点) 2015年6月21日撮影
Report 1/1
 R232から少し高台を登ったこの交差点が旧駅跡の駅前。立派な公営住宅が目立つ。<

 道道643号起点


 起点は先程の写真を左に曲がると見える。駅前通りの跡と言われればそんな気もしなくはない道路にポツンと道道標識が立っている。
 個人的にこういう景色が好きなのでちょっと進んで撮ってみた。
 起点位置から振り返る。旧鬼鹿駅は写真左奥にある住宅のあたりにあったと考えられる。

 ちなみに、左手前に伸びる団地敷地の柵はこの道路に対し斜めに走っており、かつての鉄道用地の形を現世に伝えている。尚、旧駅跡に立っている青い人は同行者のあーさー氏である。

 旧鬼鹿駅跡についてはあーさー氏のブログ記事も参考にして欲しい。
 r643は意外と標識類が充実しており、こんな起点標識も設置されていた。
 それでは道道トレースを再開しよう。
 今回も地図を用意してみた。航空写真ベースなので少し表示が重い可能性あり。

 水色の線が道道を、黄色い線が旧羽幌線を示す。なお、道道起点は町道との交差点ではなくその先の道路上(道道標識の位置)の可能性がある。

 というのも、停車場線の起点の多くは鉄道敷地と道路敷地の境界なのだが、先ほどの交差点は元々鉄道敷地の中に存在していた可能性が当時の航空写真から伺えるのである。とすると、交差点よりも国道側に敷地境界が存在したと考えることが出来る。線路と停車場線が斜めに並走していたゆえの変わった形である。
 そんな考察をしながら、かつての駅前通りを下る。
 ぐいっと曲がった先に十字路を知らせる警戒標識。
 てなわけで交差点。直進した先、ローソンの面している道がR232。

 r643はこの先直進して国道にぶつかって終わり・・・と思いきや、そうではない。
 r643は先ほどの交差点を右に折れる。

 色の剥げた警戒標識が道の古さを物語っている。あーさー氏もブログで指摘していたように、国道最接近後の区間はR232旧道と考えられるが、実は現道は1977年の時点で開通しており国道だった時代は相当昔なのではないかと思う。
 北国の港町らしい街並みを走る。
 こういう建物もまだまだ当たり前に存在している。
鬼鹿橋といういかにも鬼鹿のメインストリートに付きそうな名前の橋。

 この橋で温寧川(オンネガワ)という川を渡る。オンネと聞くとオンネトーや恩根内を思い浮かべるが、それらと同源かどうかはわからなかった。
 左折:R232 留萌 小平市街
 直進:r707 鬼鹿港
 右折:R232 稚内 羽幌

 鬼鹿橋を渡ると、R232交点はすぐそこ。国道と港線が斜めに走っているためか案内標識がちょっと複雑。

 道道643号終点

 R232交点。鬼鹿市街の中心部にあたり、ここを直進すると鬼鹿港となる。
 我々はここで左折し留萌を目指した。それでは、レポートはここまで。
Impressions
 鬼鹿停車場線もまた道内に数多く存在する廃駅停車場線の1つである。

 廃駅になった駅の利用方法は、駅敷地をぶちぬくように道路ができる場合(例:苫前)、交通ターミナルになる場合(例:遠別)など様々であるが、ここ鬼鹿は駅を起点とする停車場線がきちんと存在し、標識まで整備されているにもかかわらず、跡地は全く利用されていない状況である。

 そのようになった理由としては、恐らく駅が高台にあり廃駅後の道路交通から使いにくい場所にあること、同じ理由で敷地に繋がる道が限られていることなどが挙げられそうだ。

 一方停車場線に目を向けると、旧国道の気配や旧駅前通の気配は多少感じるものの、何の変哲もない市街地路といった雰囲気であり、他の停車場線にも同じように、静かであった。個人的には住宅街にぽつんと建つ道道標識が好きなのでこの路線は割と気に入っているほうだったり。

 残念ながら我々も鬼鹿駅跡については深く探索していないので、将来余裕があればまた探索してみたいところである。

Links
 北海道道393号遠別停車場線
 遠別町中心部にある超短い道道。実延長42mは道路調書上では最短!

 北海道道582号苫前停車場線
 苫前町中心部にある旧停車場線。起点から接続する街路が旧駅跡を通り抜けてしまっている。



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最終更新日:16年8月19日
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