空知の滝川駅を起点に根室へと至る根室本線。その途中駅、野花南駅は空知川に設けられた滝里ダムと野花南ダムの中間地点にあり、河川沿いの平地で農業が営まれるのどかな地区にある。
Information
路線: 北海道道601号野花南停車場線
起点:芦別市野花南町(JR野花南駅)
終点:芦別市野花南町(R38交点)
延長:268m(実延長)
沿線:JR野花南駅 他
走行:全線(終点→起点) 2016年12月25日撮影
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 道道601号終点

 左折:r601 野花南駅
 直進:R38 帯広 富良野

 R38を芦別から富良野へ。道中の野花南地区に駅への停車場線がある。

 交差点の様子。積雪期ということもあり道道分岐ははっきり見えないが、右側の「警察」という看板とその下のそとば標識の存在からわかるだろう。

 左折してr601に入ると、すぐに道道標識が出迎える。辺りはこれと言って目立つものもない住宅街だが、この標識が立っているだけでただの街路でなく道道になるのである。都市型都道府県道はそこが面白いのだ。

 標識の路線名表記は「野花南(停)線」。(停)は停車場(=駅)の略だが、略される場合とそうでない場合はまちまちである。

 r601の撮影は12月下旬のことであった。大雪こそ降っていなかったものの、圧雪路面の上にはうっすら新雪が乗っており、停車場線は真っ白な厳冬期の姿をしていた。

 これぐらいの雪なら除雪された雪が置かれていても自動車同士のすれ違いは問題無さそうである。

 沿線で唯一営業していたのが右側にある井上金物店なるお店である。その向かいに見える茶色い家もかつては商店だったようだが、現在は閉業している。

 道道601号起点

 JR野花南駅前。あまり主張しすぎない駅舎は根室本線ではよく見る形のもので、待合室を完全スルーしてホームに行くことが出来るのが特徴か。

 待合室。掲示物にまぎれてかつての「きっぷうりば」窓口が残る。窓際の4色ベンチはピカピカで、そのうち2つには座布団が置かれている。地元住民が愛着を持って管理している証拠だろう、とても安心できるものである。

 発車時刻表。2016年12月当時で運行本数は1日8往復半。

 この辺りの線区では富良野、新得、そして新得以遠に向かう列車が混在していたが2016年8月の台風被害により東鹿越-新得が不通となった。それ以来富良野以東へ向かう列車は全て東鹿越行きに変更され、それより先は代行バスでの移動となる。

 10:25発東鹿越行は列車番号2427D、代行区間を挟んで釧路まで直通する列車で、運行時間8時間19分、運行距離も運行時間も最長の普通列車である。・・・のだが、先述の通り鉄道では乗り通せない。

 駅舎の向こう側へ歩いてみる。駅舎正面にホームはなく、構内踏切経由の1番のりばと線路沿いに少し歩いたところの2番のりばへ行く必要がある。

 駅舎側の2番のりばには1日3本しか停車せず、残りは構内踏切経由の1番のりばとなる。

 1番のりばから芦別方を望む。単式ホームで右側に停車する列車のみ乗り降りする。木製電柱につけられたホーロー看板が渋い。

 駅名標。駅番号はT28、札幌から28駅は旭川や登別と同じ数。

 富良野方の隣駅、T29島ノ下駅は撮影から3ヶ月後の2017年3月に利用者皆無のため廃駅となり、2018年現在の隣駅はT30富良野となる。

 富良野方を望む。停車位置より末端側は除雪が疎かになっているが、駅名標目当ての旅人たちが足跡をつけていることがわかるだろう。

 駅舎の裏側に戻る。ストーブ煙突の陰になるが野花南駅の文字が小さく配置されており、駅としての存在をアピールしてくれている。

 最後に野花南駅からr601を振り返る。駅前には車のUターン跡もあり、新雪が積もってからの間に利用者がいたことが何となく伺える。こうした人の痕跡を雪の跡からうかがい知るのは冬の鉄道旅だからこそ出来ることであり、ファンを惹き付ける魅力ともなっている。

最終更新:2018年8月7日 
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