湾岸道レポートもいよいよ最終章。風光明媚なベイブリッジを渡り横浜市街へ。そこから広〜い横浜市を南進し、湾岸部を離れるところで横浜横須賀道路(横横道路)の支線と名前を変える。

首都高速湾岸線(西行き) レポート
→ 湾岸線西行き 区間4 → → 湾岸線西行き 区間5 → → 横浜横須賀道路 金沢支線 →
B12/B13 浮島
川崎浮島JCT
B10/B11
東扇島
B08/09
大黒ふ頭
大黒JCT
本牧JCT
B07 本牧ふ頭
B06 三渓園
B05 磯子
B02/B03
杉田
B01 幸浦 4-3 並木
4-2 堀口能見台
4-1 釜利谷JCT
横浜横須賀道路
狩場方面
横須賀方面

レポートについて
 取材日:14年8月2日
 K6から西行きを幸浦まで走行。横浜市街→K3/K1→大師→K6→浮島→湾岸線→幸浦から横横道路。

 天気は良かった。時間帯が真昼となった都合上湾岸線での光線の加減はちょい微妙なところがある(特に磯子付近)。
 撮影担当のあーさー氏は前回より更に首都高を楽しんでいたが、行程の9割が撮影対象であったためカメラ持ちっぱなしで腕に疲労が来たらしい。

レポート(区間5)
 大黒PAで休憩してリフレッシュ。さて、本線へ戻ろう。
 大黒PAのすごいところは、PAを利用してもその後の進路に選択権があることである。ただし、大黒出入口を利用するとPAは利用できない。
 分岐 400m
 左:B 本牧ふ頭 狩場線 幸浦 第三京浜
 右:B 東京 空港中央 東京湾アクアライン

 東京側から来ても本牧側から来てもPA利用後はここを通るためUターン可能。ちなみに右側の方面案内、空港中央と書いてHaneda Airportと読む。
 ここでK5大黒線の本線と合流する。先ほどの標識より立派な標識が登場する。

 東京方面に行くには見ての通り2車線分跨ぐ必要があるのでがんばろう。
 ループしながら高さを稼ぎ、湾岸線に再合流。
 高さを稼ぐのはわけがある。大黒JCTを通過して直後、横浜ベイブリッジが待ち構えている。

 横浜ベイブリッジは長さ860m、最大支間長460mを誇る斜張橋である。本牧ふ頭と大黒ふ頭を結んでおり、横浜港から東京湾に出る位置にある。海面高は55m。これらのスペックは先ほどの鶴見つばさ橋より少し小ぶりではあるが、1989年の開通当初では橋脚間が日本最長の斜張橋であった。
 というわけで横浜ベイブリッジをどんどん登る。ぱっと見てわかる鶴見つばさ橋とはの大きな違いはケーブルの位置である。鶴見つばさ橋は中央分離帯にケーブルが張られていたが、ベイブリッジは道路の両端である。

 個人的にはこの構造のほうが橋としては綺麗だが橋の上からの景色は悪いと感じる。

 横浜ベイブリッジは横浜市街の渋滞の解消を目的として建設され、1977年に都市計画決定、1980年に着工、1989年に首都高速部が開通した。しかしながら、首都高は有料道路であり大黒へ向かう貨物車両などを中心に市内中心部の一般道への迂回が見受けられた。そこで1998年に一般部に事業着手、2004年に下層部分の国道357号が開通したという経緯を持つ。この橋に関しては自治体や港湾関係者などの本気が伺える。  
 橋脚間の460mを走行中。1台か2台くらい前方のところが最高点。

 写真には写っていないが、ベイブリッジはとにかく駐停車禁止の標識がしつこい。一昔前は問題だったそうな。

 ちなみに下層部の一般道も125cc未満通行止、歩道ナシと自動車専用道路状態であり、駐停車ができそうな状態にもない。橋脚の道路下には展望台があり、遊歩道によりアクセス可能(有料:横浜スカイウォークという)だったが展望施設の競合激化もあり次第に横浜スカスカウォーク状態に。そして2010年9月に閉鎖されてしまったため、ベイブリッジからの景色を落ち着いて眺める手段は橋の上での緊急事態以外、存在しない。
 先ほどと同じく2つ目の主塔は下り坂。ただでさえ速い車の流れが更に速くなる。

 海面高55mを誇るベイブリッジであるが、最近になってこの橋をくぐれない大型豪華客船が増えているらしい。大黒や本牧ふ頭であればこの橋をくぐらずに接岸可能であるが、横浜港の主要な客船ターミナルはご存知、みなとみらい地区からほど近い大さん橋である。例えばアメリカの客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズは高さ63.0m吃水8.8m(海面高54.2m)であり、ベイブリッジの通過を諦め大黒ふ頭に寄港した。
 2つ目の主塔を通過する。路面上に薄黒いラインが入っているとどうも暴走族のブレーキ痕を彷彿とするが、これはケーブルの影らしい。
 分岐 800m
 左:K3/K1 横浜公園 保土ヶ谷バイパス
   横浜新道 第三京浜
 右:B 本牧ふ頭 幸浦
   横横道

 横浜市内の首都高はK1とBを除いて他の路線との連絡路の役割をしており、横浜市郊外の交通を担う自動車専用道が有料・無料問わず数本存在するという状態である。このためここの標識に出ている路線名にある程度親しみがないと都民でも何が何やらさっぱりである。

 分岐 500m
 左:K3/K1 横浜公園 保土ヶ谷バイパス
   横浜新道 第三京浜
 右:B 本牧ふ頭 幸浦
   横横道

 なぜか500m手前での予告標識である。

 左:K3 保土ヶ谷バイパス
   横浜公園 横浜新道 第三京浜
 右:B 幸浦

 渋滞表示がメインのようで方面案内は補助的なもの。この先幸浦へは渋滞の心配はなし。

 本牧JCT
 左:K3/K1 横浜公園 保土ヶ谷バイパス
   横浜新道 第三京浜
 右:B 本牧ふ頭 幸浦
   横横道

 この分岐は、一番左の車線がそのまま分岐し本線に戻れないつくりなので注意。全線片側3車線とされる湾岸線もなぜか本牧JCTでだけ本線の車線が減少する。
 分岐を通過してすぐに片側3車線に戻る。本牧ではむしろK3方面に抜ける車両が多く、湾岸線は幸浦・横須賀方面への交通がメインとなり、交通量は減る。そのためあの幅員減少がボトルネックになる印象はない。
 [B07] 本牧ふ頭 出口 400m
 AB突堤 CD突堤

 方面の案内に突堤の名前を出されても一般人にはよくわからん。画面奥で本線を跨ぐのは先ほど分岐したK3へのランプ。
左: [B07] 本牧ふ頭 出口
  AB突堤 CD突堤
本線: 次は 磯子

 この辺りの標識はヒラギノが使われていない旧式のタイプ。一般に神奈川県内のほうが標識の更新が遅い気がする。  
 K3からの合流があるところで速度取り締まりをやっていた。この区間交通量が少ない上に下り坂で実際100km/h程度で流れているので、更にスピード出したらああなるわけです。
 ここで防音壁が透明になるので景色が見える。この辺りは湾岸線のすぐ東側に神奈川臨海鉄道本牧線(貨物線)が並行し、更に東側には日産自動車専用埠頭だのといった大規模な施設が存在する。
 ここで久々のちゃんとしたカーブがやってくる。本牧の台地をぐるっと回り込み、ちょっと西へ向かう。左に見える煙突は新日本石油の根岸精製所の施設。
 ここで日差しに恵まれ明るい写真に。右側に見える斜面は本牧市民公園とその上の住宅地を隔てる崖になっている。

 ちなみにこの辺りが湾岸線で最もキツいクラスのカーブである。にしてもあの崖、もともとの海岸線だったと思われるが、原地形は結構険しい海岸だったんだろうなぁ。
 右側の斜面と湾岸線の間に横浜市民の憩いの場、本牧市民公園がある。この断崖は公園の西端付近で部分的に谷となり途切れている(位置的には撮影位置でまっすぐ右を見たあたり)が、その谷を上がったところに三渓園がある。

 三渓園は明治時代の実業家、原三渓によって1906年に公開された庭園であり、1922年に完成した。芸術家の育成の場としても価値のあったこの庭は戦災の被害を受けるも、1953年横浜市に譲渡・寄贈され復旧工事を実施、現在に至るとのこと(公式HP)。
 防災用警報板

 この先の横横道路を含む区間で土砂崩れ被害なんかの時役立つんだろうか。
 左側はまだまだ根岸製油所の敷地。そう、煙突もね。
 この辺り、右方にJR根岸線根岸駅がある。根岸駅から大船方の次の駅が次のランプのある磯子だが、本牧から結構走ってきてるんだよなぁ。
 台地の上まで住宅地が広がる横浜の風景が楽しめる。道幅と距離ゆえに速度感覚を無くしやすいこの区間、結構パトカーがいる。わかってるねぇ。
 [B05] 磯子 出口 800m
 産業道路 日野

 日野は、横横道路日野ICのあたりの地名を指す。
 情報掲示板だが、読めぬ。
 [B05] 磯子 出口 400m
 産業道路 日野

 周辺にマンションなどが現れ、久々に人の多いところにやってきたなという感覚がする。
 [B05] 磯子 出口 400m
 産業道路 日野
 次は 杉田 

 産業道路とは、根岸線とR16の間にある幹線道路を指す。磯子駅から屏風浦へ向かうにはR16ではなく産業道路を使うこととなる。が、この区間、一般道はR16、産業道路、R357と3本の幹線道路が平行しており、地図だけ見ると若干多すぎる印象が・・・
 [B05] 磯子 出口
 産業道路
 次は 杉田 

 磯子を降りると新森町高架橋なる交差点に出る。そこで右折すると屏風ヶ浦バイパスとなり環状2号線/日野方面へ。産業道路へはその次の交差点で右折する必要がある。
 [B03] 杉田 出口 800m
 鳴浜町 杉田

 左側の方面表示に「杉田」は必要ないのでは。
 [B03] 杉田 出口 400m
 鳴浜町 杉田
 ベイサイドマリーナへはこの出口をご利用下さい

 根岸と杉田の間が非常に短く感じるけど、首都高ならこれくらいが普通なんだよなぁ。
 [B03] 杉田 出口
 鳴浜町 杉田 
 ベイサイドマリーナへはこの出口をご利用下さい

 次は 幸浦

 ランプ名は杉田だが、一番近い鉄道駅は新杉田である。特別気にすることもない
 [B03] 杉田 出口
 鳴浜町 杉田 
 ベイサイドマリーナへはこの出口をご利用下さい

 次は 幸浦

 杉田ランプを過ぎる。しかしこのランプ、杉田・富岡といった周辺住宅地とベイサイドマリーナにアクセスする以外、特に便利な場所ではないのであんまり利用者はいないのかもしれない。
 反対車線には鳥浜町本線料金所がある。幸浦方面から来た車両に対し湾岸線の料金を徴収する。ぶっちゃけこの料金所を通過する必然性があるのは幸浦から進入した車両だけ・・・と思っていたが、そんなことはない

 釜利谷と幸浦の間には料金所の無い出口が2つ(並木と堀口能見台)あるため、釜利谷で首都高+金沢支線の料金を同時に徴収する訳にはいかない。一般に首都高は出口に料金所を設置していないので(基本は均一料金制のため、ETCは距離制だが)、鳥浜町で首都高分の料金を改めて徴収しなければならないというわけだった。
 高架はゆっくりその高度を下げていく。

 左側は工場と物流センター団地なので騒音を気にする必要はないが、右側はひたすら集合住宅が並んでいる。東行き車線は両側とも防音壁に囲まれていることから、西行きの騒音もこの中央分離帯の防音壁でブロックして集合住宅の静けさを保つ配慮なのだろう。
 800m先 分岐
 左:[出口 B01] 幸浦
  八景島 海の公園
 八景島シーパラダイスへはこの出口をご利用下さい

 本線:[別料金] 横横道路
  横須賀 三浦

 念のため、横横道路は須賀道路の略称。英語表記にはYokohama Yokosukaとある。
 またまた情報掲示板。だから読めんって。
 400m先 分岐
 左:[出口 B01] 幸浦
  八景島 海の公園
 八景島シーパラダイスへはこの出口をご利用下さい

 本線:[別料金] 横横道路
  横須賀 三浦

 ここで一般部と同じ高さになった。まだ湾岸線だぞと言わんばかりのBマークが標柱にくっついている。
 左:[出口 B01] 幸浦
  八景島 海の公園
 八景島シーパラダイスへはこの出口をご利用下さい

 本線:[別料金] 横横道路
  横須賀 三浦

 さぁ、首都高湾岸線のフィナーレが近づいてきた。
 左:[出口 B01] 幸浦
  八景島 海の公園
 八景島シーパラダイスへはこの出口をご利用下さい

 本線:[別料金] 横横道路
  横須賀 三浦

 幸浦ランプを通過する。この先首都高は千葉側からずっと平行してきたR357に別れを告げるべくおもいっきりカーブする。と同時に狭くなる。
 使われてない一番左の信号が寂しい。R=300という湾岸線にはないレベルの急カーブが待ち受けるので減速減速。
 並木トンネル 長さ 590m

 勘の良い人ならわかると思うが、この標識のフォントは首都高に使われているものと同じである。キロポストは確認していないが、横横道路境界を示す標識はこのトンネルを出た先にある。
 トンネルは入り口付近だけ明るいが、終始右にカーブしてR357とさようならする。R357は幸浦出口のランプを接続して更に南へ進み、海のパラダイス八景島に突っ込むが、そのど真ん中で強制Uターンという形で途切れる。八景島内のR357は歩道含め他の施設と全く接続しない。おいおい。

 R357の終点は対岸の横須賀市とされている。八景島のR357をそのまま伸ばすと横須賀市夏島町の日産テストコースをかすり横須賀市追浜あたりへつながる形となるが、とてもじゃないけど延伸しそうにない状況である。
 撮影担当氏も大好きなトンネルである。ここでも制限速度は80km/h。

 湾岸線起点

 横横道 ここから

 トンネルを抜け、道路の境界を示す標識が!
 トンネル出口直後のこの標識を捉えた撮影担当氏は本当に優秀である。

 ここから横浜横須賀道路金沢支線となる。すなわち、首都高湾岸線の起点である。いやー、長かった。

 これにて5部に亘る西行き線のレポート終了!お疲れ様でした。
首都高速湾岸線(西行き) レポート
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B12/B13 浮島
川崎浮島JCT
B10/B11
東扇島
B08/09
大黒ふ頭
大黒JCT
本牧JCT
B07 本牧ふ頭
B06 三渓園
B05 磯子
B02/B03
杉田
B01 幸浦 4-3 並木
4-2 堀口能見台
4-1 釜利谷JCT
横浜横須賀道路
狩場方面
横須賀方面

関連ページ

 首都高速道路 K5大黒線
 現在はK1とBの2路線を結ぶだけであるが、将来的に高速横浜環状北線への接続が予定される予定である。

 横浜横須賀道路 金沢支線
 首都高側から来るとトンネルとたまに合流車線がある以外、何のヤクモノもない道路。
 だが、いっちょまえに別料金は取られる。しかも高い。



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 最終更新:14年11月13日
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