北海道を代表する港湾都市の1つ、室蘭。市内の北西部に位置する崎守地区は、沿岸部のふ頭そばに機鉄メーカーが立地し、内陸部には団地が造成された工業都市らしい地域である。
 崎守駅は設置以来の無人駅でありながら、停車場線を持っている。今回は崎守駅から伸びる停車場線を紹介する。
Information
路線: 北海道道704号崎守停車場線
起点:室蘭市崎守町(JR崎守駅)
終点:室蘭市崎守町(R37交点)
延長:総延長 948m
沿線:JR室蘭本線 崎守駅
走行:全線(起点→終点) 2017年5月21日撮影
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 道道704号起点

 正面に見えるのがJR崎守駅で、停車場線はここから左方向へ伸びる。
 交差点を一旦右折し、駅前のバス転回場から駅の様子を撮影する。崎守駅は、階段を登って高架上のホームに至る高架駅なのだが、見ての通りバス停とは高低差があり、3階分ぐらいは登らされる。
 普通列車の入線する音が聞こえたので急いで登ってみたが、何とか発車前の様子を撮影できた。

 崎守駅は無人駅だがこの区間は複線。バス停から一旦高架下に登ってから、どちらのホームに登るか階段を選んで更に登る。方面を間違うと結構な段数を登り降りするので時間的にも体力的にも辛いものがある。

 ちなみに、写真に写っているのは東室蘭/苫小牧方面へ向かう列車である。
 発車時刻表。1日10往復と北海道のローカル線としてはまずまずな本数だが、両方向とも特に午前に空白時間帯があり東室蘭への移動ですら少し使いにくい。

 付近の白鳥台団地といい、路線バスが運行しているので市内移動はそちらを使うのだろう。
 ホーロー製の看板。沿岸部に近いこともありところどころ腐食している。
 駅名標。駅番号はH34。

 隣駅、本輪西との間には陣屋町という貨物駅(現在は臨時貨物のみ)がある。
 ホームの全景。崎守駅はトンネルとトンネルの間に設置されており、屋根のある部分は切通部分に、欄干の部分は高架上にある。

 現駅は1968年に新線に切り替えられた際に移転したもので、元々は新駅真下を通る道路沿いに設置されていたという。なお、停車場線持ちの駅には珍しく、仮乗降場出身かつ設置以来ずっと無人駅である。
 長万部方ホームからふ頭方面を望む。正面に見える大きな建物は楢崎製作所の建物。
 苫小牧方ホームに渡って、高架部分から見下ろすと、r704の一部を見下ろすことができる。手前側には道道標識の存在もバッチリ確認できる。

 跨道橋にしては高い位置で、真下を見るとちょっと怖い。
 崎守駅見学はこの程度にして、道道起点を眺める。

 最初の写真とはアングルが変わって、正面に続く道がr704である。
 駅からR37までの道道沿いは住宅地になっている。

 道道は谷筋をなぞっており、高台のR37まで登り坂が続く。
 住宅街といってもr704沿いのものはそこまで大きな規模ではない。

 画像右側の高台にR37が走っており、その更に上に白鳥台団地という大規模住宅地/集合住宅が立地している。
 国道までまだまだ登る。道道の延長は1km弱、歩いてトレースするといいウォーキングになりそうだ。

 なお、白鳥台団地は昭和40年代の建設という典型的な高度成長期の団地で、市営住宅の白鳥台L団地やK団地は浴室こそ備えているものの、未だ「石炭庫」を備えた和室3間の3DKという懐かしい間取りをしている。

 そういえば昭和40年代の北海道はまだ石炭が暖房源の主役だったと聞く。今から50年ほど前のことである。
 緩やかにカーブした後、奥に案内標識が姿を現す。

 ここまで目立った商店や公共施設などはない。最寄りの商業施設は白鳥台にある「ショッピングセンター」だろう。
 左折:R37 長万部 伊達
 右折:R37 苫小牧 室蘭市街

 直進すると白鳥台北公園という公園に入るのみで、白鳥台団地へは一旦右折した後別の道路からアクセスする。

 白鳥台団地はこの手の団地の例に漏れず、老朽化と高齢化が進んでいる。2018年3月末時点での室蘭市の人口は約8万5千人(住民基本台帳+外国人登録)。昭和13(1938)年以来の少ない人口であり、人口最大となった昭和44(1969)年と比べ半数以下にまで減少している。
 道道704号終点

 目の前を横切る道路はR37。左折する車は手前で左に分岐し、国道と合流する形を取ると入りやすいだろう。

 これにてr704のレポート終わり。
最終更新:2018年5月9日 
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