23区西部には都市型の狭隘区間を抱える特例都道が幾つか存在するが、今回紹介するr444下石神井大泉線もその1つ。以前紹介したr442北町豊玉線より5キロほど西に向かった練馬区内を縦断する。

Information
路線: 東京都道444号 下石神井大泉線
起点:練馬区下石神井四丁目(r439椎名町上石神井線交点)
終点:練馬区石神井町八丁目(r24練馬所沢線交点)
延長:2,751m
沿線:西武新宿線上井草駅 石神井公園 など
走行:全線(起点→終点) 2014年9月12日撮影
Report 1/1
 今回は下石神井側からトレースを始める。ここは西武新宿線の踏切で、踏切の向こうにある交差点から直進する道がr444である。ちなみにこの踏切で我々は10分弱待たされた。

 画面左端、踏切手前で左からr439椎名町上石神井線が合わさり、踏切の直後でr439は右(椎名町方面)へ、直進するとr444となる。

 都道444号起点

 ・・・を少し過ぎてしまった。

 見ての通り、この踏切は常時渋滞する。目的地次第では東側の環状八号線に迂回しても決して遠回りではない。
 ちなみにこの西武新宿線、高架化による踏切の解消が他線と比べてかなり遅れている。現在、この周辺よりやや都心寄りの中井-野方間で東京都主体の連続立体交差事業が行われているが、野方-井荻、井荻-東伏見(この踏切を含む)でも事業化に向けた動きが進んでいる。
 r444唯一の都道標識。心なしかフォントや文字レイアウトが若干古臭い。
 都立井草高校の脇を通り抜ける。当時は文化祭をやっていたらしく賑わっていた。
 r245杉並田無線/新青梅街道との交差点の予告標識。直進の方面が切れてしまったが、確か「石神井公園」であった。
 左折:r245/新青梅街道 西東京
 直進:r444 石神井公園
 右折:r245/新青梅街道 目白 [外環][関越]

 新青梅街道との交差点。外環と関越の2路線は大泉or練馬からアクセスするが、最短経路となるr444経由ではなく一旦r245を都心側に進んで環八から入るよう誘導される。

 r444経由のルートは大型車通行不可の狭隘路となるので、まぁそれも納得だろう。
 石神井消防署前交差点/r245交点

 この交差点、交通量の割に右折レーンが無い。その割に右折して環八方面へ抜ける交通が多く、現に我々が通過する時、右折車に阻まれ1回の青信号で3台しか通過できなかった。これは右折レーン設置か右折不可にしないとちょっと・・・
 住宅街の中を北に進む。
 下石神井小西交差点。ここで右折して住宅街の細い道を進んだ先に区立の小学校がある。
 石神井川に向かって下り坂。

 この辺りの微地形としては、都道の起点あたりが微高地になっており、そこから石神井川に向かって下る。その後、石神井公園内でアップダウンがある。
 左折:旧早稲田通り 石神井台
 直進:東大泉
 右折:旧早稲田通り 豊島橋

 螢橋(架替工事中)にて石神井川を渡り、r25旧早稲田通りとの交点。石神井台はこの交差点の左側に広がるエリアの地名。そして直進の方面にこの都道の終点である「東大泉」が登場した。

 豊島橋は螢橋の3つ下流にある橋である。西武池袋線石神井公園駅方面はこちら。
 r25旧早稲田通り交点。

 この先、かつての石神井城跡を抱える台地へ登る。現代ではこの台地の多くは石神井公園や運動場などの公共施設になっている(一部住宅街もある)。
 三宝寺池前

 この交差点の先で三宝寺池という池を渡る。

 三宝寺池のある石神井公園は古来からの武蔵野台地からの地下水の湧き出る場所であり、吉祥寺そばの井の頭池、杉並区内の善福寺池と並んで武蔵野三大湧水池として知られる。

 ちなみに、三宝寺池は石神井公園の池の西側を指す。東側は元々水田に水を引くための池であり、石神井池と区別される。
 石神井公園を通り抜ける。
 三宝寺池を過ぎてから勾配は上りに転じる。
 左折:r8/富士街道 西東京
 直進:r444 東大泉
 右折:r8/富士街道 谷原 [外環] [関越道]

 この先r8千代田練馬田無線/富士街道との交点。谷原は、r8・r311・r24の交点付近の地名。この交差点でも、やはり外環と関越へのアクセスは一旦環八通りに出るように指示している。
 r8交点(石神井中学校前交差点)から北は、見ての通りセンターラインのない道路となる。
 石神井エリアを北上する。この辺りまで来ると、何となく宅地の密度が下がったり、ところどころに農地があったりする。
 道路幅としては小型車同士のすれ違いは容易だが、やや大きい車が来ると少し狭い。
 この先西部池袋線との交点、踏切の気配。

 当時、新宿で時間制のカーシェア(利用時間が長いと値段が上がる)を利用していた我々はいつもの某氏と二人組で撮影していたが、上井草での踏切のトラウマをここで思い出した。
 僕「踏切!?もしかしたらここ開かないんじゃね!?
 某氏「あれ、池袋線って高架化されてるはず」
 僕「確かに高架は見えるが、ふつーの踏切だったらあかんやつだぞ」
 某「うーんこの」
 で、踏切がある!

 僕「ひょっとしてこれ待たされるやつか!?」
 某「あ、ここ今上り線だけ平面交差で、下り線は高架らしいで」
 僕「お、じゃぁこの電車行ったらすぐ開くな」
 某「やったぜ」

 この事実を知って、開かずの踏切は回避できたと一安心。ちなみに、撮影から4ヶ月後の2015年1月に上り線も高架化が完了し、西武池袋線練馬高野台-大泉学園間の高架化が全て完了した。よって、現在はこの踏切は存在しない。
 引き続き北上する。
 前原交差点を前に、少しだけ道路が広くなる。
 前原交差点

 で・・・、r444はこの交差点を直進する。乗用車があそこに入ってるけど・・・、なんか狭いよね?
 狭隘区間

 r442の時と同様に都市型の狭隘区間に突入する。
 歩行者や自転車を避けるのもちょっと怖いくらいなんだけど、30キロ制限ってそんなにスピード出せなくないか?
 右側に広がる空き地は、東京外環自動車道の予定地である。航空写真で見る感じ、このあたりが「用地の帯」の先端部にあるので、将来的にこのあたりに外環道の新トンネルが建設されるのだろう。

 そんな東京外環自動車道は2020年に大泉-東名高速交点まで開通する予定とのことである。それも、大深度地下で。ほんとにできんのかこれ。
 この辺りは和光付近の一般道と同様に、将来的には外環道の側道となるような予感がする。しかし、家と空き地が交互に続くあたり、本当に5年後に高速が通るのか怪しい気しかしない。

 言い忘れていたが、見ての通りこの区間は北行きの一方通行である。

 都道444号終点

 r24千代田練馬田無線との交点。直進すると一応大泉へ抜けることが可能、左折は大泉学園、右折は谷原方面へ向かう。

 ちなみに、r68練馬川口線がこの交差点のすぐ右隣に存在する(南行き一方通行)。この交差点は外環予定地ど真ん中にあるため、何らかの大掛かりな改変が行われそうだ。

 r444はここで終わり!
 某氏が外環予定地を撮影してくれたので画像を載せる。ちょうどカメラの向いている方向に大泉JCTが存在する(けっこう近い)。
Impressions
 23区内を縦断する狭い道路パート2ということでレポートをしてみたが、r442と違って(自動車でトレースしたせいかもしれないが)あまり歴史的な香りはしなかった。強いて言えば、道路と無関係だが石神井公園のあたりは別の話である。

 というのもこの道路の歴史は比較的浅く、現在と同じ道筋が確認できたのは1945年頃の地図であった。直線的なルートもそれ故である。

 終盤の狭隘区間はr442と同レベルの狭さであったが、外環予定地に並走or埋没しているため、開通時期の目安とされる2020年にはきっと全く別の姿に生まれ変わっているのだろう。
 とりあえず、都道レポートいっちょあがりっ!

Links
 東京都道442号北町豊玉線
 この都道より都心側にあるが、延長とか道路の歴史とかちょっと事情が違うため、この道の方が「練馬らしさ」を味わえる。ただし、車で通るとr444よりしんどい。

 東京外環自動車道
 2015年現在の開通区間である大泉-三郷南まで撮影済みなので、そのうち作ります。


都道府県道レポート一覧へ戻る
蒼の街道トップページへ戻る



最終更新日:15年8月27日 inserted by FC2 system