首都高速の多くは側道に都道あるいは国道が配置されており、そこから見る景色もまた巨大都市東京ならではである。
 今回トレースするr412霞ヶ関渋谷線は霞ヶ関から渋谷へ向かうが、名前の通り首都高3号と並走する首都高の側道でもある。
Information
路線: 東京都道412号 霞ヶ関渋谷線
起点:千代田区霞が関二丁目(R20/都道交点)
終点:渋谷区渋谷三丁目(R246交点)
延長:4,582m
沿線:国会議事堂 内閣府など各政府機関・省庁 赤坂アークヒルズ 六本木ヒルズ 青山学院大学 渋谷駅 他
走行:全線(起点→終点) 2015年7月19日撮影
Report 1/1

 都道412号起点

 r412の起点はなんと国会前交差点。「常時左折可」の標識に従いつつ、R20から離れ霞が関の官庁街へ入る。

 案内標識などは無いがこの交差点は右折するとR20、直進して国会議事堂の正面に至る道路は都道一七六号線という路線番号のない特例都道(中央官衙)である。r412は左折だが、一七六号線といったん重複する。
 左折するとそこには霞が関の官庁街。

 真左には国土交通省がある。我々の趣味対象である交通インフラを取り仕切る省庁であり、国道上などにおいてその名を見かけることは非常に多い。
 外務省上交差点で、都道一七六号線は左へ進路を取る。r412は直進。

 交差点名にある外務省は撮影位置真左にあり、交差点前方に写っている建物は現在復興庁が入った別の建物である。
 撮影当日は休日とあって流石の不夜城 官庁街、霞が関も閑散としている。右に見えるのは都心環状線霞が関入口の料金所。
 そんな霞が関をしばらく走ると首都高霞が関ランプの入口がこちら側にも現れる。

 この入口は都心環状の内回り線に合流する。3号渋谷線〜東名、2号、1号or11号〜湾岸羽田横浜方面へはこちらから。

 霞が関ランプはr412に沿って交差点を挟むように設置されたフルランプで、配置自体は右側合流分岐であることを除けば首都高に不慣れなユーザーにも使いやすさがあるが、周辺は官庁街とあって一般的な個人ドライブではなかなか利用する機会がない。
 C1外回り方向の霞が関入口はこの先でUターンしろという標識がある。
 内閣府下交差点

 撮影位置真右に内閣府の建物がある。前方を横切る道路はR246支線で、実は国道。

 右折すると首相官邸前を経て議事堂裏・永田町へ抜ける。左折すると特許庁前を経てr405外堀通り/虎ノ門方面へ。
 左折:r405/外堀通り 新橋
 直進:r412 渋谷 六本木
 右折:r405/外堀通り 四谷

 内閣府下から坂道を下る。
 この坂道の途中でこれまで地下に潜んでいた首都高都心環状線が顔を出す。この先の溜池交差点では完全に一般道の真上を通るため首都高は登り坂r412は下り坂というダイナミックな作りが目を引く。

 台地と低地の起伏に富む東京都心ではこういうスポットは割と多い。うまくすれば撮影スポットにも使えるので、お気に入りの場所を探すのもありかもしれない。
 溜池交差点

 r405/外堀通りとの交点。左折すると虎の門を経て新橋方面へ至るが、左折→右折と走ると新虎通りを経て築地方面までスムースに抜けることも可能。

 ついでに交差点の手前で港区に入る。
 港区に入って一転、沿線は人通りの多いにぎやかな街となり中央分離帯には都心環状が走る。
 右:地下鉄赤坂駅

 赤坂方面への右折レーンが分岐する。

 この辺りのr412は六本木通りという通り名が付いている。

 左側にはANAインターコンチネンタルホテルが見える。ここ赤坂六本木エリアはオフィスビルや大使館、商業施設も多く立地するがホテルも数多い。
 左側にはアーク森ビルが位置し、前方には六本木ティーキューブという高層ビルが見える。

 一方の首都高はこの場所谷町JCTにて2つに分岐する。写真で見えているのは左へカーブする都心環状線で、右方向には3号渋谷線が伸びる。
 r412は3号渋谷線に沿って直進だ。
 谷町JCTは全線高架で非常にコンパクトなJCTであるが、こんな見た目をして都心環状線の双方向から3号に行き来できるフルJCTでもある。外回り→3号下り方面への連絡路の下を走る。
 直進:r412 渋谷
 右折:信濃町 r319方面 

 道路は3号渋谷線の側道となるが特に景色は変わらず。敷地の有効活用のためか右折レーンが早々に分岐し首都高の真下を走る。進路変更はお早めに。
 左折:r319/外苑東通り 芝公園
 直進:r412 渋谷

 この先六本木交差点で外苑東通りと交差する。先程の撮影地点で右折レーンに入らない限り交差点で右折できないので要注意。

 写真を撮り損ねたが、この交差点も都内ではテレビなどでよく出る有名な交差点である。
 瀬田 10km
 渋谷 2km

 都心部では珍しく距離標識が現れる。瀬田はこのまま渋谷線沿い→R246と走った場合の環八との交点にあたる。
 左折:r319 赤羽橋

 左に見える六本木ヒルズは2003年4月開業の六本木六丁目に所在する複合商業施設であり、高さ238mの六本木ヒルズ森タワー、ホテル、マンション、映画館、テレビ局といった様々な施設から構成される。ヒルズ族に代表される「金持ち」の象徴的存在でもあるが、周辺同様かつては住宅地であり再開発までは紆余曲折があった。周辺街路の整備も併せて行われており、r319環状三号線は敷地の直下をトンネルで抜けている。
 そんな六本木六丁目を通り抜けると街はまた落ち着いた姿となる。
 200m先交差点
 左折:r418/外苑東通り 天現寺橋
 直進:r412 渋谷
 右折:r418/外苑東通り 千駄ヶ谷

 r418北品川四谷線との交点。左折すると南青山・国立競技場を経て富久町西にてr302新宿両国線/靖国通りへ、右折すると広尾を経て天現寺橋交差点、そこから首都高2号目黒線の側道を通って荏原方面へ至る。
 r418との交点(西麻布交差点)は谷になっているとともに立体交差となっており、r412側は右車線を走るとスルー可能である。

 というわけで交差点はスルーします。
 首都高の下にもかかわらず高架ということで、ちょっとした自動車専用道路気分を味わえる。
 直進:渋谷
 右折:青山通り

 西麻布交差点を過ぎて元の車線と合流・・・するのだが、実はここに高樹町ランプからの流出交通も加わっている。
 というわけで、青山通り方面への分岐(高樹町交差点)はこの通り非常に車線が多くなっている。幸いにも合流部に信号制御があるが、車線選択する距離はあまりないので要注意。
 首都高3号の脇をまだまだ走り続ける。

 この辺りの住所地名は南青山、地下鉄駅から遠く賑やかさは無いがその分閑静で落ち着いた街となっており、高級住宅街でもある。

 恵比寿中目黒・駒沢通り方面へはここで左折すると近道。
 南青山エリアを抜けると渋谷区に突入。住所地名としては渋谷区渋谷になる。
 この先首都高もろとも地下トンネルとなる。高架と街路樹に挟まれた景色から一転、夏空と日差しの眩しい快適な道路に。
 首都高とフェンス1枚で隔たれた状態で青山トンネルに入る。

 トンネルすぐそばには青山学院初等部の建物がある。余談だが、r412は3号渋谷線と同時に整備されているためここまで並走できているのだろう。
 青山学院を過ぎても尚道路は台地を登り、首都高より高いところを通るようになる。

 実践女子学園というこれまた一貫校がこの左脇に立地している。
 閑静なビル街を通り抜けるが、正面遠くには大規模複合施設の渋谷マークシティが顔を出す。
 渋谷に向けて一気に下り坂となる。

 渋谷は名前の通り渋谷川と宇田川の合流地点に位置する「谷」である。先述の渋谷マークシティが4階にも入口があったり、表参道では地下を通る地下鉄銀座線が渋谷では山手線を跨いでいることなどからもその地形の険しさが伺える。
 200m先交差点

 左折:明治通り 恵比寿
 直進:R246 厚木 三軒茶屋
 右折:明治通り 新宿

 渋谷駅東口の交差点はこのさきの谷底、渋谷川の近くに位置する。ところで、よく見ると3号渋谷線のルートマークが画面右側に。

 ちなみに、R246/青山通りが明治通り交点より手前でr412と合流する。

 都道412号終点

 R246/青山通りが金王坂を下り右からr412と合流してくる。明治通り交点はこの先だが、r412はそこではなくこの交差点(R246交点)が終点となる。
 渋谷駅東口交差点

 せっかくなので次の交差点まで直進する。R246/厚木方面はこちらを直進、横切る道路は山手線に並走して池袋方面と恵比寿方面を結ぶ明治通りだ。

 これにてレポートは終わり。お疲れ様でした。
Impressions
 霞ヶ関渋谷線は先述の通り、首都高3号渋谷線と同時期(というより東京五輪に向けて60年代前半)に整備された都道であり、渋谷線の側道としての役割も果たしている。

 走りがいのある面白い路線かと言われればそうでもないが、側道区間の変則的な右折レーンの配置や、都道からチラ見えする首都高上の標識など大都市ならではの光景も存在する。

 それらに加え走行していて思うのは高低差の多さだろうか。60年代の整備とあって旧来から存在する街道とは関係なく道路が走っているため、港区周辺の台地と谷のアップダウンを割とよく楽しめる。首都高の方が勾配を抑えて設計してあることもあって、首都高との位置関係の変化が多様に変化するという点も面白い。

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最終更新日:17年3月22日
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