東京都にも「〜〜山線」と付く山岳県道があったことを知った私は早速某私鉄の乗車券を買い、機会を伺って山登りをすることにした。そしてその山とは・・・一大観光地、高尾山である。
Information
路線: 東京都道189号 高尾山線
起点:八王子市高尾町(権現茶屋前)
終点:八王子市高尾町(R20交点)
延長:2,923m
沿線:高尾山薬王院、北原白秋歌碑、高尾登山電鉄高尾山駅/清滝駅、高尾登山電鉄リフト山上駅/山麓駅、京王電鉄高尾線 高尾山口駅 など 
走行:全線(終点→起点) 2015年5月中旬撮影
都道終点→起点 53分(参考:清滝駅→山頂 80分/一般的所要時間100分)
Index

 東京都道189号高尾山線 第1部 [終点(R20交点)→ リフト山上駅付近]
 観光客で混みあう高尾山口を離れ、国道20号との交点から登山開始。第1部は徒歩で登る1号路をお届けする。

 東京都道189号高尾山線 第2部 [リフト山上駅付近→ 起点(権現茶屋前)]
 リフト駅以降は徒歩以外で登った観光客が増える。山頂に向かう途中にある1軒の茶屋の前で都道は終わりとなるので、私のレポートもそこで終わる。

Report 1/2

 都道189号終点



 R20交点。高尾山入口という名前のこの交差点、手前側が高尾山IC/山梨方面、奥が八王子市街/東京方面。

 今回レポートするr189はここを左折だ。
 高尾橋なる橋でR20に並行する川を渡る。

 今回の旅の同伴者の方が写真に写り込んでいる。この方に限らずこの都道のレポートでは多くの観光客が映り込んでしまったが、プライバシーの保護に必要な処理は施しているつもりである。
 終点側の僅かな距離は石畳の道が続き、歴史的な門前町の装いをしている。

 この先の高尾登山電鉄(ケーブルカー)清滝駅まではタクシーなどの進入も可能である。
 こういうところでは自然薯そばなどなどカロリーの低そうな天然派の料理が目を引く。しかし、それとは真逆、「流動食」を原点とした栄養補助食品「カ□リーメイト」を携行していた私は店を気にせず歩き進めた。

 というより、登山開始が午前9時台なので門前町の店が人で賑わうにはまだ時間が早い。下山したのは昼ごろであったが、その時になるとお食事処は相応の賑わいを見せていた。

 そしてこの時間帯チョイスのお陰で我々は「観光地」高尾山を思い知ることとなる。
 この先道が狭くなる。と同時に、人が多くなる。

 橋を渡った後で、京王電鉄高尾線 高尾山口駅からやってきた観光客と合流するからである。
 で、この人出となる。

 奥に見えるのがケーブルカー清滝駅/エコーリフト山麓駅。その脇からは野趣あふれる6号路、尾根ルートの稲荷山コースが分岐するが、我々が歩くのはこちらではない。

 尚、ここで分かれる人々もその多くが高尾山の頂上を目指すことを注記しておく。
 我々が登るのは、この道、1号路である。撮影範囲より左側に先ほどのケーブル乗り場がある。
 ここで、高尾山登山道でも都道でもなく東海自然歩道の看板が掲示されている。

 東海自然歩道は、ここ八王子市高尾から大阪箕面まで11都府県約90市町村にまたがる総延長1697kmの長距離自然歩道とある。ここはその起点である。壮大。
 この先少し歩くとゲートがある。見ての通り、ここから先は登山道の1つであり、許可車両以外は終日進入禁止である。

 薬王院を含む高尾山の中腹〜頂上付近で仕事・生活する人々にとってはこの道路は自動車で行き来できる唯一の連絡路である。
 ここからは石畳風のよく整備された登山道が続く。

 ちなみに、1号路は頂上までずっと舗装路である。登りやすいが下が硬いので足の疲れを感じると結構辛い。
 新緑が綺麗。

 また、他の登山路と違って幅員も十分確保されている(自動車で行き来できる=人同士のすれ違いは余裕)。高尾山は元々親しみやすい険しさの山であるが、1号路は特に易しいので軽装の家族連れもよく見る。そういう私も2時間で往復するつもりだったので割と軽装であった。
 新緑を楽しみながら軽いハイキング。最初の1km弱はこんなペース。
 軽いハイキングとはいったが、周囲には天然林(またはそれに近い状態)の森林も残されており、他の低山と比べてかなり趣きがある。

 高尾山薬王院の寺域であった当地は、自然林の無闇な伐採が禁じられていたとか。その後、1967年に明治の森高尾国定公園として指定されて以降、この周辺の山林は厳格に保護されている。
 そんな都道沿いには随所に林間学校向きな感じのパネルが設置されている。天然林が残されているこの場所なら、思ったよりも多種多様な生き物に出会えるのかもしれない。

 どうでもいいが、このパネルの管理者も東京都である。
 そんなハイキングコースも歩きつめると、谷あいから尾根に向けたつづら折りの急登となる。

 写真の位置がちょうどその切り替わりであり、休憩する人、足並みをそろえるグループなどなど多くの人が固まっていた。
 先程まで歩いてきた谷を右手に眺めながら登る。

 道路はガードレールの設置されたコンクリ舗装路でそれ自体は山岳道路として普通だろう。
 ここで金比羅台に向かう道が分岐する。都道のつづら折りに業を煮やした登山者は一休みも兼ねてそちらに寄り道する場合が少なくない。実は金比羅台に寄ってもあまり遠回りではない。

 都道は勿論左である。
 金比羅台からはこんな眺めが見える(下山時に撮影)。山頂と違って低い分東京市街が近く見えるのでこれもこれでいい。
 都道に戻る。
 この斜面は南を向いているが、周囲に茂る木々のお陰で夏はこのように木陰が出来る。5月の日差しは十分強いので、それを防いでくれるのはありがたい。
 急登の何度目かの折り返し。ワンパク坊主を連れた親子連れを追い越す。

 この区間が1号路で一番きつい。30代40代となって衰えを感じ始めた頃に元気な子どもを連れて行くのはなお辛そうである。きっとお父さんはタフなサラリーマンに違いない。
 つづら折り区間を終えるとここからは尾根伝い。お疲れ様と言わんばかりにお地蔵様が出迎える。
 尾根区間もそれなりの勾配がある。周囲の木々がうねりを見せているが、登山道の周囲がだいぶ荒れているのが気になる。

 高尾山に限らず、登山者の多い山にとって登山道周辺の自然保護は最重要課題である。登山道を外れた踏み跡が出来ると、そこの植生はなかなか回復しない。
 まだまだ歩く。

 ちなみにこの周辺で圏央道高尾山トンネルの真上となる。ここは尾根であることから右側(北側)の眺望もたまに見えるが、そこには山間にある大きな構造物、八王子ジャンクションがしっかりと見える。
 長い尾根区間は先程の九十九折区間と違って道の奥までよく見える。

 私を含めなんちゃってハイカーには少々辛い。
 そんな道の向こうに、木々がなくなり日差しが差す場所がある。そう、間もなくリフトの山上駅だ。
 高尾登山電鉄リフト 山上駅

 都道はリフト乗り場を見下ろす位置にやってくる。もう少し歩くと、リフト乗り場へ降りる歩道が続いているが、写真は撮りそこねた。第1部はここまでにしよう。

 
Impressions
 今回この都道を歩いた感想は以下の1行に尽きる。

 新緑すげえ!人めっちゃ多い!!

 前々から覚悟はしていたことだが予想以上の登山客の多さに、私は辟易した。
 「この都道・・・・撮っても公開して良いのか!??」と。

 が!正直撮り直しに行くのが面倒だったり、あとは自前の画像加工ソフトで何とか出来たという事情があって公開を決めたのであった。問題があればやめます。

 余談であるが、先ほどのリフト乗り場付近の標高が468m(地理院地図)。都道終点の標高が191m(地理院地図)で、ここまでのルート距離が1.9km(Google地図)。高低差277m(山頂だと更に+130mくらい)は例えば秩父や飯能などのハイキングと比べればまだまだ小さいレベルである。

 しかしながら、道路としてみると平均勾配14%という激坂である。最大勾配はわかりかねるが、平均勾配に関して言えばこの都道は都道最強級の坂道都道であろう。
 第2部では、激坂よりも人手の多さに更に困惑します。お楽しみに。

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 東京都道189号高尾山線 第2部 [リフト山上駅付近→ 起点(権現茶屋前)]
 リフト駅以降は徒歩以外で登った観光客が増える。
 山頂に向かう途中にある1軒の茶屋の前で都道は終わりとなるので、私のレポートもそこで終わる。


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最終更新日:15年10月26日
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