北海道ネタが中心の「蒼の街道」がまさかの(?)九州進出。
 記念すべき1本目は鹿児島県阿久根市の短小県道、r362阿久根停車場線。その短さに注目!
Information
路線: 鹿児島県道362号 阿久根停車場線
起点:阿久根市栄町(肥薩おれんじ鉄道線阿久根駅)
終点:阿久根市栄町(R3/R499交点)
延長:23m
沿線:阿久根駅 北さつま漁協本所 他 
走行:全線(両方向) 2016年5月17日撮影
Report 1/1

 阿久根駅駅舎

 九州を縦貫する国道3号線。鹿児島県内では薩摩半島の北西側、出水・阿久根・薩摩川内・いちき串木野を通り抜ける。比較的海から近い部分を走り、日置から薩摩半島を横断して鹿児島市へ至る。

 阿久根は東シナ海に面した人口約2万人の市で、写真はその中心駅、肥薩おれんじ鉄道線阿久根駅の駅前である。

 そして、この写真は県道区域のうちの約半分が映っている。
 阿久根駅へ入る。

 阿久根駅は2004年までJR鹿児島本線の駅であったが、九州新幹線の開通に伴い第三セクターの肥薩おれんじ鉄道に移管された。

 駅舎は老朽化などから2013年に改築された。それも非常にデザインの込んだ駅舎である。
 阿久根駅の駅窓口と改札。

 この脇にはソファーの置かれた待合スペースもある。地場産の木材が用いられた駅舎内は初夏の九州の強い日差しとは対照的に、落ち着いた雰囲気が漂っている。

 九州の鉄道でデザインと言われると、お分かりの方も多いだろう。そう、阿久根駅のデザインも水戸岡鋭治氏が手がけている。
 ホームを覗き見る。残念ながら駅名標は見えなかった。

 水戸岡氏のデザインに1つ注文をつけるなら、待合室からホームと駅名標がきちんと見える構造にしてほしかった。
 駅舎内には図書館・多目的スペースといった地元住民のためのスペースに加え、阿久根食堂という食堂やお土産物屋も入っている。

 なお、阿久根駅は駅管理と改札業務は「阿久根市美しい海のまちづくり公社」が担う。交流スペースや食堂売店の運営もかつては肥薩おれんじ鉄道によるものだったが、現在は市の商工会や観光連盟がタッチしているようである。

 県道362号全景

 そんな阿久根駅の正面から駅前ロータリーのような県道を撮影したのがこちらである。

 これまでの感覚でいけば駅前から正面の国道3号までのコンクリート舗装が県道の区域のように見える。舗装が南国っぽくていいですよね。

 のだが、駅舎南側の歩道の片隅に気になる標石が埋まっているのを見かけた(左)。
 拡大したのが右の写真なのだが・・・、「←JR」と書かれている。
 間違いない。県道区域鉄道用地との境界だ。
 それを元に先程の全景写真に境界を合成したのが上の写真である。

 鉄道用地側のコンクリ舗装は色が白く新しいことがわかる。2013年の駅改修時に拡幅された可能性もあるが、スペース自体はもともと駅でのタクシー・バス待ち用にJR以前から存在していたのかもしれない。

 また、左の写真がロータリーの出口側である。
 阿久根駅前ロータリーとその管理を図にしたのがこちらである

 県道区域はオレンジ枠で囲まれた領域で、国道との重複部分が左側に存在する。鉄道用地は青い四角で示してあるが、一部濃いピンクになっている部分が鉄道用地ながらロータリーになっている部分である。

 ロータリーの動線にかかわらず県道の延長は鉄道用地との境から国道に引かれたオレンジの点線で、総延長は国道との重複区間を含む長さ(下側)、実延長は国道用地との境界までの長さである(上側)。
 県道出口(終点)から駅を振り返る。

 阿久根停車場線のようなロータリー県道で、特筆すべきはその延長の短さである。その長さ、データによると23mという驚異の短さになっている。
Impressions
 阿久根停車場線は凄く短い。停車場線のパターンは様々であるが、今回は駅前ロータリーの一部がJRで、残りが県道であった。

 また県道が繋がる阿久根駅は見ての通り駅そのものが観光の対象となるようなデザインであり、市の観光サイトにもしっかりと阿久根駅が紹介されている。

 北薩エリアは特に東日本の人間にとっては全く未知の領域であるが、その自然、味覚など魅力的なところも沢山ある。短小ではない路線も撮影してあるので、いずれ紹介しよう。

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 特になし。


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最終更新日:17年6月3日
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