日本海オロロンラインを構成する路線の1つ、留萌から幌延を経て稚内に至る国道232号。
 R232から内陸に伸びる幾つかの道道のうち、天塩の1つ南の町遠別にある小さな盲腸線道道をご紹介しよう。
Information
路線: 北海道道826号 丸松線
起点:天塩郡遠別町丸松
終点:天塩郡遠別町丸松(R232交点)
延長:4,277m(実延長)
沿線:遠別町郷土資料館 
走行:全線(起点→終点) 2015年6月21日撮影
Report 1/1

 道道826号終点

 直進:留萌 98km
 左折:丸松第二 4km

 丸松第二という地名が謎だが、とりあえず無視して左へ。

 道道826号起点

 約4km走ると舗装が途切れる。r826の起点はちょうどこの舗装の切れ目となる。

 こうした「盲腸線」は走り進めると大抵舗装が途中で切れて未舗装路になるが、舗装の切れ目が道道の起終点になる場合もあれば未舗装区間も若干含む場合があったりしてややこしい。
 起点部分を振り返る。

 盲腸線の起点が無人地帯の場合もあればそうでない場合もあるが、ここは農地に囲まれており、トラクターが絶賛稼働中であった。

 画面中央、よく見ると青い六角形が待ち構えている。
 登場、青い六角形

 路線番号は大規模改変の際に変更されていないようで、数字の字体が古めかしい。

 再三の説明となるかもしれないが、「3826」というのは道道の管理番号が直接記載されたものである。要するに、道道3826号じゃなくて826号だけど管理上の番号が3826なのでそっちが書いてあるというわけです。
 R232を目指す。周囲は酪農地帯の雰囲気が漂う。

 遠別町は日本の稲作北限で知られるが、遠別町の中でも北部にあたる丸松では稲作の様子はまだ見られなかった。
 牧草地のような風景が続く。

 が、天塩や幌延を走ってきた我々にとってはそれはごく小規模なものに見えた。
 道路の土と路肩の草が交通量の少なさを伺わせる。

 ちなみに、撮影のため往復した間、対向車には一度も遭遇しなかった記憶がある。
 そんなr826にはきちんとキロポストが設置されている。これは1キロポスト。
 円満橋
 名前の由来は何なのだろう。
 2キロポスト。谷あいの道路にはよくることだが、だんだん周囲の景色が開けてくる。
 ここからはR232に向かって一直線。
 一直線の途中で郷土資料館という案内を見つけたのでちょっと立ち寄ることに。
 遠別町 郷土資料館

 遠別町中心部から遠く離れたここになぜこんな施設があるのか若干謎だが、木造の建物に味があっていい。
 観察眼のある方ならお分かりかと思うが、この建物そして敷地は旧丸松小学校を転用したものである。1つ上の写真の左側東屋の横に門柱が写っている。
 資料館は閉館。ここの見学はオンデマンドスタイルで、5/1-10/31の間なら来館3日前までに遠別町教育委員会(01632-7-2353)に連絡すれば見学できる(冬季は閉鎖)。

 この資料館は遠別の開拓の歴史を伝えるものである旨のご挨拶。また、丸松小学校自体は明治38年設立、昭和57年閉校とのこと。閉校後30年以上もこの校舎が残っていることはかなりすごいと思う。
 郷土資料館の真ん前にはかつて遠別駅で活躍していた「入換動車」が展示されている。

 ところで丸松小学校が閉校した1982年、この地域を走っていた旧国鉄羽幌線の廃止承認が申請された。その後羽幌線は1984年廃止承認、そして1987年に全線廃止・バス転換された。
 資料館を後にし、4キロポストの位置。牧草地の奥に民家が数軒見える。あれがR232との交点だ。
 左折:R232 羽幌 遠別市街
 右折:R232 稚内 天塩

 終点/R232交点の予告標識。縦長の路線名入り案内標識がここで初めて登場する。

 道道826号終点

 R232との交点。旧丸松駅跡地は国道を跨いでほんのちょっと進んだあたりにあるが、特に痕跡は残っていないとか。この日は6月の日曜日であったが遠別となると交通量は少なく辺りは静かであった。

 r826のレポート、終わり。
Impressions
 大椴線、清川線、旭温泉旭線、そして丸松線・・・といった形で留萌管内には同一地区で完結する盲腸線道道が点在している。

 丸松線はその中でも一番北に位置する路線で、見ての通り稲作ではなく酪農が主体の地区であった。

 Googleストリートビューと同じようにこの道路の奥にある未舗装路は走行していないが、どうやら道道起点より2-3kmぐらいは沿線が開けており、廃屋の跡が見受けられることから、その土地を利用して営農している人がいるorいたと考えられる。終点交差点で示されていた丸松第二という地名の正体は結局分からないが、道道起点のあたりはかつて独立の集落として機能していたのかもしれない。

 他にネタになるものは郷土資料館である。この地域の開拓の歴史を伝える資料館は遠別町に限らず点在する(そしてどこも厳しい気候ゆえの苦労の歴史である)。訪問レポートがネット上にあるようなので気になる方は検索をおすすめする。

Links
 北海道道393号遠別停車場線
 遠別町内に存在した旧遠別駅の停車場線。
 その長さは道道で一番短い。


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最終更新日:16年5月20日
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