北海道を代表する港町にして、観光都市の1つ、小樽。
 小樽運河がその象徴として有名だが、それだけじゃない。小樽だって坂の町だ。
Information
路線: 北海道道697号天神南小樽停車場線
起点:小樽市天神(奥沢水源地付近)
終点:小樽市住吉町(JR南小樽駅前)
延長:5,603m(実延長) 7,380m(総延長)
沿線:奥沢水源地、小樽天満宮、小樽公園、小樽警察署、JR南小樽駅 他
走行:全線(起点→終点) 2017年7月23日撮影
Index

 北海道道697号天神南小樽停車場線 第1部 [起点 → 洗心橋交差点(r956交点)]
 小樽市街の南端、天神から麓に向かって道道トレース開始。
 当時は建設中だった後志自動車道の橋梁を潜り、アップダウン激しい住宅地をジグザグに縫うように走る。

 北海道道697号天神南小樽停車場線 第2部 [r956交点→ 終点(JR南小樽駅)]
 港を見下ろす下り坂の途中、一旦R5と重複する区間に入る。
 その後1キロ半の重複区間を経て、終点の南小樽駅へ至る。

Report 1/2
道道697号起点

 r697天神南小樽停車場線は、小樽市街から山に向かって登ったここ天神にてスタートする。

 地図で調べればお分かりの通り、この道道はいわゆる盲腸線である。まず、起点周辺にある施設を覗いてみよう。

 天神浄水場 直進800m先
 奥沢水源地 左へ

 起点を振り返ると天神浄水場と奥沢水源地、2つの水道施設がその近くに位置していることがわかる。このうち奥沢水源地はすぐ近くにあって見学可能とのことなのでちょっと覗いてみよう。

奥沢水源地

 駐車場から水源地に向かう歩道沿いに、ロータリークラブ寄贈の解説ボードが設置されている。奥沢水源地は1914年に完成した北海道最古の水道用ダムであったが、2011年に堤体の陥没が見つかったことを受け、同年8月に廃止された。

 ではここで何を見学するのか?そもそもダム湖もダム廃止の後流路工事により無くなったため、奥沢水源地の見どころはダム湖ではない。

 奥沢水源地の象徴的存在といえるのが、この階段式溢流路である。これはダム水位が一定以上となった際の越流と、ダム湖に注ぎ込む勝納川を上流で分流させた水を流していたもので、流速を抑えるために21mの落差を10段に分けて落とす構造となっている。

 この「水のすだれ」の成す光景は美しくも涼しげで、古くから小樽市民に親しまれてきた風景だという。奥沢ダム自体は現在は廃止となったが、この溢流路は歴史的価値も踏まえた上で維持されており、毎年夏に一般公開されている。

 溢流路は水道橋から眺めることができるのだが、ちょっと向きを変えるとダム堤体が遠くに見えたりする。

 寄り道もこのぐらいにして道道を走ろう。

 起点である奥沢水源地は天神地域の住宅街のほぼ最上部に位置していた。ここからR393交点までずっと下り坂が続く。

 起点を少し離れると周囲は住宅街となる。この道道は当サイトでも久しぶり(?)の市街地型道道だったりする。

 画面奥に建設中の橋脚らしきものが見えているのがお分かりだろう。もうちょっと近づいてみよう。

 カーブの後はしばらく直線。

 前方にみえる橋梁が近づいてきた。

 この橋が、撮影当時建設中の後志自動車道天神橋という橋梁である。高さこそわからなかったものの長さ681mで後志自動車道最長の橋となっている。

 後志道は勝納川の谷全体を一気に跨ぐため当然この道道ともクロスするのだが、橋が高くて橋脚の根本しか写らない・・・!

 撮影当時(2017年7月)、道道を跨ぐ部分は完成していたが、西側の天狗山トンネルとの間はまだ完全に繋がっていなかった。撮影の1年5ヶ月後の2018年12月、後志自動車道は開通し、この橋の上にも多くの通行車両が通過するようになった。

 一方の東側は山にぶつかると天神第一トンネルとなり、R393が通る毛無山の直下を通る。橋脚は完成していたが、橋桁を伸ばしていく工事の真っ最中であった。

 後志道の建設現場を通過したあたりで、1kmポストが出迎える。r697は実はきちんとキロポストが置かれている。

国道393号交点

 左折:R393 倶知安 赤井川
 直進:R393 札幌 小樽駅 R5方面
 直進:r697 天狗山

 最初の交差点はR393交差点。r697をトレースするにはここで左折となる。

 終点のJR南小樽駅へは、実は道道を無視して直進が最短である。それも直進した先が再びr697に指定されているという有様である。ここまで露骨な遠回りはちょっと珍しい気がする。

 左折すると今度はちょっと古めの道道標識が待ち構えている。南小樽駅へはあっちだが、道道はこっち、と言わんばかりに。

 結構きつい上り坂が続く。

 まだまだ登る。

 小樽は北海道の都市にしては坂の多い町であるが、住宅地が尾根に跨って広がっていることにも注目したい。室蘭は尾根にニュータウンが立地するがそれ以外はほとんどが谷あいに住宅地が広がる。函館は函館山麓こそ坂の町だが独立峰ゆえあまり谷と尾根がはっきりしない場所が多い。

 勾配標識こそないが結構きつい。これ夏はいいけど冬はスタックしそうだなー。

 今度は下り急勾配。10%の坂というだけでもきついほうなのだが、冬はこれで何の設備もなく凍結路面になる。小樽はみんな4WD車に乗るという言説を聞いたことがあるが、この街並みをみれば理由がわかる。

 案内標識。r697はこの先右左折を繰り返す。

 まずはちょっと広めの交差点を右折する。川を中央分離帯とする4車線路で、手前に入ると逆走になるので奥へ。

 1ブロック下り坂を走ってすぐに左折。R5に合流するには素直に山を降りるのがよいが、道道トレースするなら左だ。

 左折すると割と平坦な道に戻る。

 3kmポストがこの間に設置されている。

 手前左折:天狗山
 奥を左折:r956 塩谷駅
 奥を右折:r697 R5方面 小樽駅

 r956交点までの案内標識。手前交差点で左折すると、小樽天狗山ロープウェイへの最短経路となる。

道道956号交点

 ここでr956小樽環状線が分岐する。実はR393交点以来重複区間となっていたのだが、ルート上にそれとわかるものは全くなかったのである。r956はこの先天狗山付近を通過し、後志道と並走してインターチェンジのある塩谷へ至る。その後、塩谷海水浴場付近で海沿いを走るR5とぶつかって終わり(起点)となる。

 第1部はここまで。

最終更新:2018年12月28日 
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