夏も終わりかけの8月下旬、旭川からちょっとしたドライブ。今まで走ろうと思って走れなかった道道、美馬牛神楽線へ。この路線はかつては狭隘砂利道区間が存在したが、現在はルート変更されている。
Information
路線: 北海道道580号 美馬牛神楽線
起点:上川郡美瑛町字留辺蘂(r70交点)
終点:旭川市西神楽1線18号(R237,r68交点)
単独区間は美瑛町内R452交点までとなる。
延長:9,886m(実延長) 重複区間を含めると17,283m
沿線:パッチワークの丘 など 
走行:全線(終点→起点) 2014年8月21日撮影
Index

 北海道道580号美馬牛神楽線 第1部 [終点(R237/r68交点)→ 美瑛町美田(旧道分岐)]
 国道237号との長い重複区間は軽めに、第1部区間は旧道新道の共通部分を紹介する。

 北海道道580号美馬牛神楽線 第2部 [美瑛町美園(旧道分岐)→ 起点(r70交点)]
 最近になって完成した新ルートで美馬牛地区に入る。旧ルートに劣らず丘陵風景が楽しめる景観の良い道路だが、まだまだ町道としての姿が色濃く残る。

Report 1/2

 道道580号終点



 r68/R237/R452交点。JR西聖和駅の近くで、東神楽と西神楽を行き来する際のルートの1つ。

 今回レポートするr580は終点がここ旭川市西神楽になっているが、この先7.4kmにわたってR452と重複する。
 「この道路は美瑛町五稜より先は通行出来ません」 13.4km先 通行止

 開発局によるでっかい案内。この表示のせいでR452は抜け道として敬遠されがちだが、その五稜地区の手前まではずっと人里が続くし、かの有名なパッチワークの丘エリアへの裏道にもなったりする(ただし、わかりにくいので事前に下調べをすることをオススメする)。
 辺別川を渡ったところで美瑛町に突入する。カントリーサインは「美瑛の丘」に立つ一本の木「ケンとメリーの木」。飾りっ気がないながらどこか洗練されたこのデザインは美瑛の丘の美しさにも通ずるところがある。

 個人的には「日本一美しい村連合」の加盟メンバーとしての自負を感じる。考え過ぎか。
 美瑛町旭地区に入る。

 この先で左折すると千代ケ岡・美瑛方面へ、直進すると美田・五稜方面へ続く。

 カントリーサインに出ている「ケンとメリーの木」は、実はここで左折してもアクセス可能。ただし、裏から回りこむことになる。
 これ以降、特に目立つモノはないので紹介を端折る。

 美田までのR452は美瑛川と併走し、周囲には「平らな」畑が広がる。なお、道中に1箇所だけ「パッチワークの路」と書かれた案内表示があるので、かの有名な丘陵風景を楽しみたい人はそこで分岐すると良い。

 道道580号単独区間終点

 左折:美瑛市街 美田
 直進:r580 富良野 上富良野

 右折:R452 五稜

 事実上のr580終点は美瑛町美田になる。国道は右折だが、行き止まりゆえほとんどどこにも繋がっていない。
 終点交差点には何やら大きな掲示板らしきものが。
 五稜ゲート

 程なくして冬期通行止用?のゲートが現れる。ただ、この先にもゲートが1ヶ所あるので、終点側の通行止区間がどこまでだったかはよくわからない。なお、起点側には旧ルート上に1ヶ所ゲートがある。

 沿線に畑があるのに冬期通行止規制というのは北海道でも少しレアな気がするが、それも既に過去の話である(現在、旧ルートは進入可能でも冬期は積雪で自然と通行出来なくなっていると思われる)。
 r580の縦型道道標識。旧ルートの道道標識の有無は調べていないが、少なくとも新ルートは道道標識があんまり充実していないので、意外と珍しいのかもしれない。
 美瑛川に沿って走るが、川はほとんど見えない。
 この先、普通の道道と言った感じの道が続く。こういうの飽きたよね?
 一応この辺りも美瑛川と併走しているはずである。

 美瑛川は旭川市内ではR237に平行するが、川を遡ると途中からR237と逸れてR452→r580と別の道路と併走する。その後、「パッチワークの丘」エリアの南側を流れて美瑛市街へ、更に上流に向かうとr966と併走し白金温泉の辺りへ至る。

 西神楽や千代ケ岡辺りでR237と平行する川は辺別川である。R237を美瑛方面に走るといつの間にか辺別川流域になってるのでややこしい。
 普通の道道風景・・・。
 ここで突然の橋、、、だが、美瑛川を跨ぐわけではない。部分的に川沿いが崖になっているので、それを回避する橋といったところか。
 この辺りからは丘陵地帯を遠目に眺めることが出来る。森林の割合が高く、美瑛の原風景はこんな感じだったのかもしれない。
 道路は先程の橋から下り坂に転じる。旧道との分岐も間もなく。
 ゲートの奥、左に小さな農道が、そしてその奥で右にも道が分岐する。

 左に曲がると美瑛川に沿って走る小さな農道が続くが、マイルドセブンの丘方面に向かうことが可能だ。
 画面奥にある交差点で右に曲がると、旧ルートに接続することが可能。さぁ、行ってみよう。
 まずは右へ曲がる。新ルート開通に伴い交差点周りの線形が変わっており、旧ルートへはきついカーブとなる。
 で、すぐにこんな景色になる。

 道道はどっちでしょう!?

 皆さん、何を今更って感じですよね。未舗装になるのに何故か交差点で優先道路扱いされてる直進です。
 Uターン対策の為に交差点のすぐそばに車を止め、ひっきりなしに飛んで来るバッタの嵐を受けながら旧道を歩く。

 1-1.5車線幅のダート路で、如何にも旧道道といった雰囲気。
 ← 美馬牛 12km

 なんと!案内標識が設置されている。

 この古臭いフォント、やっぱり旧道道の香りプンプンで興味が湧く。左も直進も道のグレードが変わらないしどちらもほどほどに轍があるのだが、直進するとGoogle地図にも書かれていない道となり(多分)行き止まりになる。この案内標識の存在価値は大きい。
 左折すると、目の前にある丘を上るべく、道路は森の中へと消える。

 次の写真で第1部は終わり。続きは第2部、Uターンして新ルートの続きを走る。
 木陰にまぎれて、こんな警戒標識。

 標識自体は煤けているが、「路肩弱し」という補助標識も丁寧に設置されており、やはりこのルートが道道だったことを匂わせる。ちなみに道路は1車線分しか無く、狭隘ダート路としてはやや荒れた部類に入る。

 当時は新ルートのトレースが目的だった&運転に自信が無かったのでこれ以上旧ルートに入ることはしなかった。しかし、いつかこの道の向こうへ行ってみたいと思う。
Impressions
 r580は色々とちょっと変わった路線である。

 まず、都道府県道の基本認定条件の1つ、上位路線との重複区間の延長、すなわち重用延長は総延長の30%以下という条件がある。

 この道道の2013年現在の重用区間は9,886m/17,283mであり、約57%に及ぶ。

 しかしこれには理由がある。
 というのは、国道452号線は1993年まで元道道であったということが影響しているからである。旭川市内-芦別にかけての国道452号は元々r1072旭川美瑛芦別線という路線であった。つまり、r580(1994年の番号変更以前も同様)は、国道昇格前はr1072に対し上位路線であった。認定時は重用延長30%以下の条件を満たしていたのである。

 と、そんな路線延長にまつわる話をしたところで、次は第2部。大胆なルート変更によりガラッと様変わりしたr580の現在の姿をお送りする。第1部は退屈だったけど、第2部は少しは楽しくなると思うよ・・・!

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 北海道道580号美馬牛神楽線 第2部 [美瑛町美園(旧道分岐)→ 起点(r70交点)]
 最近になって完成した新ルートで美馬牛地区に入る。旧ルートに劣らず丘陵風景が楽しめる景観の良い道路だが、まだまだ町道としての姿が色濃く残る。

 北海道道68号 旭川空港線
 r580の終点で交わる道路。
 旭川の空の玄関、旭川空港に繋がる道道。空港周辺はちょっとした丘陵地帯になっており、意外と爽快感がある。


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最終更新日:15年10月22日
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