2015年6月の道北ドライブ1日目。新千歳を出発した我々は旭川を経由し、天塩川河口の町天塩を目指した。日が傾きつつある中ひたすら北上する我々であるが、国道ばかり走るのも味気ないのでまたまた並走する道道に寄り道してみた。
Information
路線: 北海道道541号 問寒別佐久停車場線
起点:天塩郡幌延町問寒別(r583交点)
終点:中川郡中川町佐久(JR佐久駅前)
延長:22,123m(実延長) 重複区間を含めると22,709m
沿線:JR宗谷本線問寒別駅-佐久駅の各駅、中川町市街地、中川町公共温泉施設 など 
走行:全線(終点→起点) 2015年6月20日撮影
Index

 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第1部 [終点(JR佐久駅前)→ 中川町中川(r438交点)]
 佐久駅前を出発した我々は、国道40号線とは違う「裏道」を北上し、中川町中心部へ。

 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第2部 [中川町中川(r438交点)→ 起点(r583交点)]
 中川町中心部のメインストリートを通りぬけ、酪農地帯としての道北に突入する。起点のある問寒別はもう宗谷管内だ。

Report 1/2
 JR佐久駅

 宗谷本線の無人駅である。無人駅にしては立派なのだが、それは佐久ふるさと伝承館という公共施設を併設しているからである。
 佐久ふるさと伝承館内。駅待合室となるこのスペースは6:00-19:00まで開放されており、周囲には地域資料館によくある「古い物の展示」がされている。画面向かって左側には広い部屋があるが、それは研修など何らかの目的用の部屋であるという。また、2階には研修施設もあるとか。

 佐久駅は1986年無人化、1990年に改装され現在の姿となった。こうした研修施設を併設した立派な駅舎ではあるが、基本的に人はほぼいない。なお、利用に関しては公式な連絡先が明示されていないが、町HPに掲載されていることから役場に連絡するのも一考?
 JR佐久駅構内。2面2線、音威子府以来の交換可能駅である。この画像は構内踏切から撮影したもの。
 佐久駅の駅名票。駅番号W63。

 稚内方の隣駅は琴平駅であったが、1990年9月に廃止となり、天塩中川駅に張り替えられている。

 ホーム裏に見える線路は元々貨物用の側線であった(70年代の航空写真を見る限り木材の取り扱いが中心と思われる)が、現在は保線用の車両が利用するようである。かつては更に多くの側線が存在したが、現在ではそれらは跡形もなく姿を消している。

 道道541号終点

 左折:r218 国道40号
 右折:r541 問寒別 中川市街

 それでは、駅前に戻って道道のトレースを開始する。中川市街へ向かうにはr541経由の方が早いが、問寒別などより遠い地域に向かうならR40経由の方が恐らく楽で速い。
 恒例だが、セルフサービススタイルで路線地図をご確認いただきたい。全線にわたって国道40号と並走するものの、国道に対して天塩川の対岸を走り、JR宗谷本線に寄り添っている。
 交差点を右折して佐久地区の市街地を北上する。

 音威子府以来の人里とあって、決して小さくは感じなかった。なお、佐久には2006年まで小学校が存在していた(現在は閉校)。中川町の小学校は、中心部にある中央小学校ただ1校である。
 問寒別 24km
 中川市街 9km

 集落の外れに距離標識。そして、年季の入った道道標識。
 耕作地のような牧草地のような土地が広がる。

 佐久地区は天塩川と山地に挟まれており、平地自体は結構狭い。
 市街地を離れるとこのザマである。
 この先、1回目の踏切。

 「↓」と道路標識くらいしか設備もない道路でそこそこの急カーブとあってか、道路に凹凸が付けられている。きちんと減速しよう。
 宗谷本線の踏切(1回目)。
 天塩川に沿って走るので割と平坦・・・と思いきや、たまにアップダウンがある。
 しばらくこんな道が続く。というより、ずっと続く。
 周囲の藪が低い(森林ではない)のは、耕作放棄地で完全に森林に返そうとしているのか、はたまた、林業で利用していて伐採から年が浅いのか。

 道路右側に関しては部分的に植林が見られるので後者のようだが、左側(線路が並走している)については天塩川まで人の手の入っていそうな痕跡がない。ちなみにこの辺りは天塩川の堤防すら途切れていたりする。
 19KP。この路線は割と律儀にキロポストが設置されている。

 北海道道は何もないところを走る路線に限ってキロポストの設置率が高いように感じる(それも走行者から見やすい場所に)が、もしかすると緊急通報時に要救助者の位置を説明しやすいようにしている工夫の1つかも知れない。
 ここ、夜真っ暗だろうなぁ。
 退屈していたところで、この先カーブと路面凹凸と踏切のセットがやってくる。

 そして、画面奥に何やら人工物があるのがおわかりだろうか。
 宗谷本線の踏切(2回目)。かつては画面右側に琴平駅という小さな無人駅が存在していたが、1990年に廃駅となり現在は跡形も無い。

 琴平駅は1955年仮乗降場(この形式は旭川鉄道管理局:現JR北海道旭川支社に非常に多かった)として設置され、1987年JRへの民営化時に正式に旅客駅となるも、それからわずか3年で利用者皆無のため廃駅となった。2015年現在、このエリアには1軒の牧場がある以外人家はない。
 だが、2015年現在、琴平駅跡は藪に帰った静かな駅跡地・・・ではなく、道路工事の現場となっていた。画面奥に見える盛土は建設中のR40音威子府バイパスで、おおよそ画面奥から手前に向かって走る予定である。

 音威子府バイパスは琴平駅跡地の真上を通る。ちなみに音威子府バイパスは音威子府-中川を短絡する自動車専用道路(A'路線)で、2018年度の供用開始を目指して事業中。延長19キロのうち8km強をトンネルが占めるた、筬島-佐久のボトルネックを解消することからかなりのショートカット効果が期待される。
 そんな工事現場をすぎればまた静かな道道へ。工事関係者向けのものだろうか、「自動販売機あります」の看板が寂しい。

 人口希薄地帯にそれだけのバイパス道路を建設する目的としては、経済効果も然ることながら救急搬送にかかる時間を短縮する「命を守る道」としての効果が大きい。中川から名寄まではどう頑張っても1時間かかる救急搬送をもし10分でも短縮すればそれで十分救命できる見込みが高まるのだ。特に冬場の搬送を考えるとそれどころではない短縮効果が見込める、というのがあちらの意図にも思える。
 琴平橋にて、琴平川を渡る。

 地名では字琴平として残っているが、廃駅の名前はもはや道路上では橋の名前からしかわからない。
 17KP。中川町中心部もそろそろ近づいてきた。
 道路が少し広がる。
 ここからほんの数百メートルだが、天塩川の堤防のようなそうでもないようなよくわからない場所を道道が走り、右側の藪の中を宗谷本線が走る。r541で天塩川が見えそうな場所は他にもいくつかあるが、一番眺めが良いのは恐らくここである。

 河川が増水すると結構怖い気がするんだけど大丈夫なのかなぁ。
 天塩川沿いの区間を抜けると、ここで久々に山側へ向かう道が分岐する。

 r541からやってくると案内表記はあんまり豊富ではないが、中川町オートキャンプ場ナポートパーク、ぽんぴら温泉ポンピラ・アクア・リズイングといったイチオシレジャー施設がここで右折してすぐの場所にある。
 この先左折すると国道40号線方向へ。

 交差点を撮りそこねたが、ちょっと先にある丁字路で左折すると天塩川を渡り、対岸の誉(ほまれ)地区へ接続する。中川町の道の駅「なかがわ」もこちら。
 更に進むと少し市街地っぽくない景色になるが、道路右側には住宅が並んでいる。
 銅蘭川という小河川を渡り、中川町の中心部へ入る。
 中川町中心部。道めっちゃ広い。交番、信用金庫、スーパーなどの建物がこの中にあるらしい。
 天塩中川駅前の交差点。

 ここで右に曲がると1ブロック先に天塩中川駅の駅舎が見える。r541は直進だが、ここから暫くの間r438天塩中川停車場線と重複する。

 駅の詳細についてはr438のレポートに掲載してあるので、そちらをご覧頂きたい。それでは第1部はここまで。
Impressions
 r541は第1部の区間から見ての通り沿線に人口の乏しい道道である。
 撮影当時は対向車皆無ではなかったのだが、それは音威子府バイパスの建設関連車両だったかもしれない。

 ちなみに、ここまで約9kmを25枚程度の画像(佐久駅を除く)で紹介してきたが、第2部はより画像の密度が下がる。それだけ変化の無い道がずっと続くわけである。

 それでは、続きは第2部をご覧くださいませ。

Links
 北海道道541号問寒別佐久停車場線 第2部 [中川町中川(r438交点)→ 起点(r583交点)]
 中川町中心部のメインストリートを通りぬけ、酪農地帯としての道北に突入する。起点のある問寒別はもう宗谷管内だ。

 北海道道438号天塩中川停車場線
 中川町の玄関、天塩中川駅から町中心部を通り、天塩川の対岸にある国道40号へ向かう。
 こちらのレポートでは、駅舎リニューアル前後の写真も紹介している。


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最終更新日:15年9月25日
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