2015年6月、ちょうど夏至の頃。4ヶ月越しの計画通り、レンタカーを借り、あーさー氏と男2人で道北を好きなだけ走るというちょっと変わった休日を過ごしてきた。道中、完璧なほどの快晴の下、ある駅への再訪を果たしたので道道とともに紹介する。
Information
路線: 北海道道445号 紋穂内停車場線
起点:中川郡美深町紋穂内
終点:中川郡美深町西里
延長:1,088m(実延長)
沿線:JR紋穂内駅
走行:全線(終点→起点) 2015年6月20日撮影(旧版 起点→終点,08/08/24)
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 北海道道445号紋穂内停車場線 2015年 [終点(R40交点)→起点(紋穂内駅前)]
 2015年6月に撮影した高画質版。天気が良いので写真も鮮明であり、駅前に白い花が乱れ咲くという少し変わった光景。

 北海道道445号紋穂内停車場線 2008年 [起点→終点]
 古いのは残す必要が無いかもしれないが、駅舎や終点交差点など、2015年版と比べてより詳細に紹介しているので掲載しておく。
 また、終点にある道道標識が7年でどのくらい変化したか(朽ちたか)比べるのも楽しい。

Report 1/1

 道道445号終点

 国道40号線を美深から何キロか走ったところで、こんなくたびれた道道標識が顔を見せる。この狭い道が、JR紋穂内駅への入り口でありr445の終点である。
 r445はこのように紋穂内駅から石狩川を挟んで反対側のR40へ向かうだけの道道である。一応、途中で林道らしき道が分岐する。
 道道標識のアップ画像。

 ボロい!!!!!

 ちなみに2008年版の画像と比較すると、7年の月日を経て標識下部の「北海道」が完全に錆に飲まれ、剥げ落ちている。冬期の積雪の影響が大きそうだ。
 交差点から100mほど、センターラインのない狭い区間となる。真新しい案内標識は終点交差点の案内標識であるが、大型車が激突したのか下部がひしゃげている。
 天塩川を渡る紋穂内橋に向かって登り坂。ここだけ、きれいな2車線路が確保されている。
 紋穂内橋。見ての通り狭い。

 欄干のある部分の幅員はだいたい1.7車線分くらいといったところだ。
 橋の途中には2ヶ所の待避所がある。普段なら、「ハッハッハ対向車なんていないからお世話になるはずがない」とか言いたいところだが、今回は大型ダンプとすれ違った。

 待避所だけ2車線幅は確保されているので、大型車相手でも問題ない。普通車同士だったら待避所でなくても何とかなりそうだが、無理せず待避所を利用しよう。
 ダンプをやり過ごし、のんびり天塩川を渡る。
 橋の上から天塩川を眺める。中川や美深で見た天塩川と同じように、緩やかに流れているが、橋の真下が瀬になっており水面は波立っている。
 2箇所目の待避所を通過する。河畔林に囲まれており、歩いた時はちょっとした森林散歩を楽しめた。
 直進:班渓
 右折:r445 紋穂内駅

 道道クオリティでやたらと立派な案内標識が道道は右だと教えてくれるが、センターラインをみればそれは明らかである。

 直進して踏切を越えた後、つきあたりで右に曲がると美深パンケ川の上流域である班渓方面へアクセスが可能。美深市街にも繋がっており、紋穂内は国道と道道しかない秘境ではなかったりする。
 撮影当時、河川工事(作業?)に関するプレハブと駐車スペースがあった。その奥には1軒だけ民家が見える。

 画面右側にも民家がある。ただし、これらの民家に現在人が住んでいるかは判然としなかった。
 駅に向かっているはずなのに途中から藪と空き地に囲まれる。。
 駅の直前で直角カーブする。奥にみえる細道は、天塩川堤防に繋がっており、登ることも可能。しかし、この堤防は数百メートル南に行くと途絶えてしまう。

 道道445号起点

 直角カーブの直後、ただ舗装されただけの駅前広場に出て、r445のトレースは終わりとなる。

 現在の駅舎は右側にある車掌車駅舎であるが、もともとは正面に木造の駅舎が存在していたという。現在はその基礎だけが残されている。
 JR紋穂内駅

 相変わらず年季の入った駅舎は、2008年訪問時より若干塗装が荒れているように見えた。

 左側の旧駅舎跡地、そして現駅舎の目の前にまで咲き乱れている白い花はマーガレットにも見えるが背丈と葉の形からシャスターデージー(フランスギク)と思われる。もともと園芸品種であるが北海道が生育適地なようで、人の手を離れて帰化している光景が各所で見られた。このシャスターデージーも、誰かが少しだけ植えたものが野生化して咲き乱れているのだろう。
 ホーム側から駅名票と駅舎を眺める。ホーム側の塗装はひび割れが酷く、幾何模様を見せているがいずれはどんどん剥げ落ちてしまうのだろう。
 2015年の訪問時は駅舎内と駅構内の撮影を怠ってしまったため2008年版に解説を譲る。そういえば2015年も駅前の木陰に停まっていた自転車は2008年と同じように誰かが自由に乗れるよう手配したものだろうか。

 これにて、r445のレポート終わり。
Impressions
 紋穂内停車場線は私(=筆者)が最も気に入っている停車場線の1つである。

 その理由の1つはやはりあの朽ち果てた道道標識だが、それだけではない。

 7年前の時点で相当年季が入っていたが。2015年現在では「北海道」の文字まで剥げ落ちてしまった。駅に向かえば年季の入った狭い橋、なぜか真新しい案内標識、木造の廃納屋、そして塗装の荒れた駅舎。

 紋穂内停車場線は、沿線の一つ一つが時の流れを感じさせる素敵な場所である。

 ただ、白い花が咲き乱れる光景は葬儀を髣髴とさせる。紋穂内はいずれは廃駅になるかもしれない。せめてもう一度、道北の哀愁を漂わせながら、地域利用者や物好きな旅人を出迎えてくれるあの光景と空気感を楽しみたいものだ。

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 特になし。


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最終更新日:15年9月26日
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