北見市に隣接する農業と酪農の町、訓子府。
 2006年4月まで、その中心部には北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅、訓子府駅が存在した。
Information
路線: 北海道道335号訓子府停車場線
起点:常呂郡訓子府町元町(訓子府駅跡前)
終点:常呂郡訓子府町元町(r50交点)
延長:155m(総延長)
沿線:訓子府駅跡(農業交流センターくる・ネップ) 他
走行:全線(両方向) 2019年2月11日撮影
Report 1/1

 直進:r50 置戸 R242方面
 右折:r335 ふるさと銀河線訓子府駅

 r50北見置戸線は常呂川に沿って北見と置戸を結ぶ道道で、そのほぼ中間点で通過する町がここ訓子府である。

 そんな訓子府町の中心部にr335が走っていることは前から知っていたが、意外と機会がない。真冬撮影もいいかなと思い、今回トライしてみた。

道道335号終点

 信号交差点がr335終点となる。信号機と街灯とを一体化させた標柱が美しいが交差点名は特に無い。

道道335号終点

 一旦r50の左側(南側)に回って道道全景を眺める。右側に公園広場みたいなのがあったり建物と道路の雰囲気が落ち着いており素敵な街並み。その奥に構えているのがかつてのふるさと銀河線訓子府駅である。

 道道を歩いてトレースする。2車線路だが随分道幅にはゆとりがある。

 沿線には旅館や居酒屋、タクシー会社の事務所が立地するも周囲は静まり返っている。

 r335の街路灯には管理主体を示す写真のようなプレートが設置されている。「網走土木現業所」は現在は建設管理部に置き換えられた部署であり古いものだとわかるが、ステッカーでなくプレートでしかも反射素材でできているというところがリッチですね。

道道335号起点

 沿線を150m弱歩くと、前方に見えるのがふるさと銀河線訓子府駅跡。これにて道道のトレース自体は完了である。

 今回も道道の区域を判別できたのでメモしておこう。駅周辺はふるさと銀河線の廃線後に公園と道路が整備されており現場では夏でもうまく判断できないのだが、総延長と照らし合わせると手前の町道交差点ではなくそれより1軒分奥、すなわち右側にある旅館の敷地端(ちょうど街路灯があるあたり)が道道起点部分となる。
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 道路は駅前で左カーブし、かつてのふるさと銀河線敷地の向こう側へと続いている。駅跡(農業交流センター)の駐車場はその脇に設置されており、10台分余りの広いスペースが確保されている。

 駅前広場ならぬ駅横広場を眺める。実際は路線バスの転回場で、一般車向けのものではないため舗装の色も違っているのだがこの時期は全て圧雪で真っ白。

 ロータリーの奥に訓子府駅の建物が見える。建物裏のホームっぽい部分は実際にかつてのホームで、撮影地点はちょうど線路敷に重なる位置にある。

旧訓子府駅

 ロータリーの横からホームに上がることができる。代替バスとなる北見バスの乗り場は右側にある。

 かつての訓子府駅は2面2線の相対式ホームを持っており、両ホームは構内踏切で行き来していた。ちょうど駅横ロータリーが2番のりばのあった位置であるが、線路もろとも敷地は公園化・バスターミナル化され、この1番乗り場がテラスのように残るだけである。

 ホームから池田方を見る。かつての線路敷地はロータリーと雪山になっている。

 かつての鉄道用地は公園となっているが、築山の上に展示された動輪がその中にある。冬は雪で埋まるので近づけない。この置き方何なんでしょうね。

 バス乗り場。陸別〜北見間の代替バスは北海道北見バスが運行する。

 というわけでようやく駅舎(農業交流センター)の中に入る。

 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線は1910年に池田側から建設された網走線を前身とし、1961年から池北線と名を変え、沿線で盛んだった林業を支えたものの、1980年国鉄再建法により廃止対象路線となった。沿線自治体との協議を経て池北線は第三セクター鉄道として存続される方針となり、1989年6月4日、ふるさと銀河線として営業開始した。現在の旧訓子府駅はその後の2000年に改築されたものである。

 駅舎内。農業交流センターとしての施設は撮影地点の裏側にある。待合室は今も代替バスの待合所として機能しており、喫茶店も健在。それにしてもスジャータ商品の主張が激しい。

 その後ふるさと銀河線は苦しい経営状態に陥った。第三セクター化された当初はバブル経済の下にあり経営安定基金の運用により経営可能と判断されていた、とのことだが、その後のバブル崩壊と長期にわたる不況により基金は元金の取り崩しに入り、更に旅客の減少も著しく2002年には輸送人員は1989年当時の6割を切っていた。

 駅を出てr50方面へ戻ることにする。駅前通りが斜め方向に走っているというのもやや珍しい。

 2003年、北海道ちほく高原鉄道と道、沿線自治体による「ふるさと銀河線関係者協議会」が設立。幾度にもわたる協議が行われたが存続への打ち手は見当たらず、バス転換が現実味を帯びる。その後2006年4月21日、ふるさと銀河線は廃止された。

道道335号終点

 左折:r50 津別 北見
 右折:r50 置戸 R242方面

 r50交点を今度は駅側から撮影する。街路樹に隠れているが標柱にはr335唯一の道道標識が設置されている。

 r50交点の左脇にはポケットパークなる広場がある。訓子府市街は駅周辺も含め随分きれいに整備されてますよね。

 交差点の様子。撮影当時は「最強寒波」の翌々日。カメラの電池も切れるほど寒かった。

 これにてr335のレポート終わり。

最終更新:2019年2月19日 
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