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 取材日:2018年11月24日
 旭川十勝道路 北の峰IC→布部IC

 上川管内は遅い冬の訪れから一気に一面の雪景色。小雪舞う中、富良野エリア初の高規格道路の開通に立ち会った。

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 旭川十勝道路 [ ]北の峰
 帯広・日高方面 200m先右折

 地域高規格道路、旭川十勝道路。富良野市街をパスする富良野道路の開通に立ち会うべく、北端となる北の峰ICへ向かう。

 北の峰-布部 本日16時開通

 旭川十勝道路の開通を告げる情報表示。R38を東へ走った清水でも同じ表示を見かけたが、インターチェンジの手前まで来てこれを拝むと気分は高まる。

 ここで画面右側を見ると黄色い道路パトロールカーを先頭に、開通待ちらしき車が数台連なっているのが見える。列の最後尾は交差点より少し前にいるので、とりあえず右折して係員に聞いてみようということになった。筆者自身開通待ちは2度目の経験だが、ポイントごとに待ち方の事情は違うだろうと思っており実は開通待ちできるか不安になっていたりもした。

 [ ] 北の峰
 帯広・日高方面 右折

 北の峰IC入口。このICは下り線(北の峰→布部、南行き)出入口が写真の位置で、上り線の出入口は写真奥の高架をくぐった先で左側に接続する作りになっている。

  北の峰IC

 まだ走行痕の少ない右折レーンに入り、係員のいるICランプに車を突っ込む。開通待ちはランプ上でOKのようだった。

 開通待ちの際に、唯一の記念の品ともいえる整理券を受け取る。

 臨時待機場で使う予定のものだったのか、でかでかと先着順の番号が書かれている。

 その番号は9番。やった1桁だ!

 裏面には臨時待機場の案内図がある。場所は空知川対岸のパークゴルフ場(冬期は閉鎖)で、開通待ちの車をここで待機させて時間が来たら本線に誘導するつもりだったらしい。

 しかし実際の開通待ちはほぼランプ上で済まされていた。大都市圏でも無ければ冬の夕暮れという条件、15分前に着いて9台目という少なさであった(開通時点での最後尾は多く見て30台ぐらいだったと思う)。

 開通待ちをしている間に辺りはどんどん薄暗くなり、そして雪も降り出した。

 夕暮れ+雪という撮影条件は正直かなり厳しい。「もう暗くなるから早く開けようぜ」という言葉が出るぐらいには焦っていた。

 開通直前に車列を振り返る。う〜ん、あんまり多くない・・・。

 そして16時、先頭の道路パトロールカーが動き出す。順に開通待ちの車列が動き出す。

 祝・旭川十勝道路開通!

 気象条件もありひっそりとした開通であったが、地域高規格道路としての旭川十勝道路の初めての開通に、他の開通待ちの車内も、職員のおじさん方も、そして富良野の街の皆さんもきっと大きく盛り上がったに違いない。

 ランプはまず国道38号を跨ぐ。大抵は接続道路をまたぐ前に合流してしまうものだが、北の峰ICの東側には空知川が流れており用地を十分に取れなかったことと、旭川十勝道路自体が国道と鋭角にクロスしており250°ほどカーブする必要があるという構造の問題があったようだ。

 R38を跨ぐと本線に合流する部分に出る。いよいよ旭川十勝道路、その本線に足を踏み入れる!

  北の峰IC

 2018年現在での旭川十勝道路の北の端、北の峰ICから本線に入る。そのキロポストは66.0で、R237ともR38とも異なるキロポストであり、旭川からの地域高規格道路の計画延長を反映したものと思われる。

 なお、プレス資料を見るに開通前の記念式典はこのあたりで行われていたようである。

 本線合流の直後、新学田跨線橋JR根室本線を跨ぐ。

 速度制限はのっけから凍結規制速度の50km/h。これも式典時の写真を見るに直前まで70km/hで稼働していたようだった。なお先頭の道路パトロールカーは基本的に速度規制を守るのでこの道路の撮影は40-50km/hという撮影しやすい速度で行われた。

 しばらくは対面通行とはならない。

 この先のトンネルを前にトンネル情報板が登場する。やっぱり架設じゃなくて道路脇なんですね・・・。

 北の峰トンネル 長さ2928m

 程なくして旭川十勝道路の目玉となる構造物、北の峰トンネルに入る。

 このトンネルは富良野スキー場山麓、ペンションが立ち並ぶ北の峰エリアの直下を潜り、途中東向きにカーブして大規模な公園の1つ朝日ケ丘公園の地下へ回ったあと、富良野市中心部の南側で地上に出るという作りをしている。要するに市街地もリゾート地も完全スルーして市街地の反対側へ回れるのだ。

 トンネル内はさすが北海道開発局管理と言いたくなるほど単調である。広くて快適ではあるんだけどそれゆえ速度感覚もなくなる。

 [ ] 富良野出口 2.5km

 [ ] 富良野出口1.5km

 トンネル内にはこの2つの予告標識が設置されている。北見道路のときみたく内照式のがあったら面白いが、外環をはじめとして最近の高速道路では反射式/外照式で作る場合が多くなっている。

 このトンネル内で初めて対向車とすれちがう。距離的に、富良野ICで開通待ちしていた車だろうか。

 北の峰トンネルを抜ける。出口の向こうに早速予告標識が見えているから、富良野ICはすぐそこらしい。

 〈985〉(38)(237) 富良野 出口300m

 富良野ICの予告標識。直結するr985の番号も書かれており接続案内は豊富だ。

 情報表示。相変わらず凍結50km/h規制。

 この日は23日頃から降り続いた雪と寒気で富良野近郊はほぼ全面が圧雪/凍結路面となっていた。

 〈985〉(38)(237) 富良野 出口

 富良野IC出口。名前の通り富良野市中心部(フラノマルシェ・駅方面)に最寄りのICとなるが、北の峰ICからの利用であれば国道を直進するより遠回りになるので現時点での利用価値は薄い。
 しかし、富良野市街orR237旭川方面→帯広方面への接続は距離ロスが無いので使ってみる価値はあるかもしれない。

  富良野IC

 r985山部北の峰線に直結する。市街へはr985を北上してアクセスする。空知川を渡った対岸でR38/R237(重複区間)とクロスしており、物産施設のフラノマルシェにも程近い。

 富良野ICはフルインターで、今度は合流もある。

 富良野IC通過後は空知川堤防に程近い田園地帯をほぼ南北に走り抜ける。地盤は平坦なはずだが盛土のたかさがこの先ちょこちょこ変わっているように見える。

 五区1号沢川橋

 〜沢川とは重複した命名ではないかと思うけど細かいことは気にしないでおこう。

 雪の降りしきる中、布部へ向かって緩やかにカーブする。カーブの先は一直線となるが、終わりつつある薄暮と降り止まぬ雪で遠くは霞んで見えにくい。

 車間距離確認。これがあると追越車線もあるのでは?と思ってしまうが、実はそんなことはない。

 ここで上下線に検知器らしきものが設置されている。何のため?

 布部ICの予告標識手前で、キロポストは73KPとなる。北の峰から7kmといったところだ。

 ここで左側を見ると道路緊急ダイヤル#9910と書かれた小さい標識が設置されているのがわかる。道内の一般国道で見かけるのと同じタイプで、これを見るとやはり旭川十勝道路は高速道路網の一部というよりは単発で作られた自動車専用道路なのかなと思ったり。

 (38)(237) 布部 出口1km

 ここで開通区間唯一となる布部ICの予告標識。

 思えば富良野ICからここまでずっとガードレールで両方向が仕切られていた。再評価資料を見ると、この道路は片側3.5m+路肩2.5mの2車線道路として建設されており、いわゆる暫定2車線ではなく完成2車線であることが伺える。

 終点 500m先

 400m先 自動車専用道終り
 左折:R38/R237 富良野市街
 直進:R38/R237 帯広 日高

 ここで終点交差点の予告標識。って、まだ本線なはずなんだけど・・・。

 青色の案内標識を通過してもなお本線が続く。道内ではなかなか無い感覚だがこれって延伸される作りになっていないということか・・・?

 200m先交差点。先頭車が交差点で信号待ちをしている様子が伺える。

  布部IC

 左折:R38/R237 富良野市街
 直進:R38/R237 帯広 日高

 ここで一般道と交差して旭川十勝道路は終点となる。現在地は富良野市街より1駅南に行った布部で、直進すると山部を経てR237占冠orR38幾寅方面へ向かう。

  布部IC

 元は国道がカーブする地点だったが布部IC開通とともに国道を通過する場合でも信号交差点を通るよう切り替えられた。布部ICでは多くの関係者が道路開通を見守り、一般道側のルート切り替えに対応していたのだろう。

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最終更新:2018年11月26日
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